お客様と時間の感覚を共有するということ

公開日: : 最終更新日:2014/10/29 お客様の利便性

お客様と時間の感覚を共有するということ

ショップ側にとってお客様は何十人、何百人の一人だけど、お客様にとってのショップはあなた一人だけ。

何を当たり前のことをと思うかもしれないけど、毎日たくさんのお客様に対応してると、そんな当たり前のことでもつい忘れてしまいがちになる。

今回はお客様の苦情や要望に対応する際に、最も大切な時間の感覚についての考察。

30分毎の現状報告

以前、とある量販店で配送管理の仕事をしていた時。午後12時を5分も過ぎると、お客様から午前指定で頼んだ商品が届かないと電話がくることが度々あった。

今であればお客様自身でネット上で、荷物番号を入れて配達状況の確認をできるけど、当時はまだそんなサービスもない。

そうした問い合わせに対して私は

「大変申し訳ございません。午前指定というのはあくまで目安です。
交通状況などによって多少遅れることもございますのでもうしばらく
お待ち頂けますか?」

と返答していた。

ほとんどの場合は再度、電話が来ることはなかったけど、まれにその後30分過ぎても届かずに、もう一回電話が来ることもある。

ここで初めて商品未着ということで、配送会社の営業所に電話をかけ商品探しをするんだけど、この時に上司に教えて頂いたことがあった。

それは、お客様はとにかく1分でも早く商品を欲しがっている。だから商品が見つかろうと見つからなかろうと、30分に1回は電話で今の状況を説明しなさいということ。

もちろん、ネットで簡単に現在の状況を確認できる今であれば、それほどまでに頻繁にお客様に連絡する必要はないし、かえって迷惑になることもある。

しかし当時のお客様は、全く状況が分からずにただ不安を抱えたまま時計を見ることしかできなかった。

そこで重要なのは、少しでも早く営業所に商品を届けるよう急かす以上に、お客様の不安や苛ちを少しでも和らげること。そのために30分毎に現状報告をしなさいということで、この教えは今でも強く印象に残っている。

お客様と時間の感覚を共有する

ショップ側にしてみればたかだか30分ぐらいと思うかもしれない。しかしお客様にとっては、今すぐにでもその商品を大切な人に届けるのかもしれないし、お子様が待ちに待っている誕生日プレゼントかもしれない。そんな時の30分は、きっと何十時間にも感じられるぐらい、途方もなく長い30分になる。

もちろん、商品未着トラブルの原因は運送会社で、あなたには何の落ち度もないとしても、お客様が感じる時間をできる限り共有する気持ちがなければ、お客様の不満は運送会社ではなく確実にあなたへ向ってくる。

問い合わせをしてきたお客様は何十人、何百人の中の一人ではなく、様々な想い、期待を持ってあなたの商品を購入してくれたたった一人の人。

そういった意味では、実際には30分毎に連絡をしないとしても、常に現状を把握しつつ接することが、ネットのあるなしに関わらず、今でも間違いなくお客様に対する最も大切な心遣いだよね。


    

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