音楽サブスクリプションサービスには検索ではなく索引が重要だと思う理由

公開日: : 最終更新日:2016/02/22 音楽に関すること

applemusic

ちょっと今更感ありありではあるけど、ここ最近で出てきたAWAとかLINE MUSICとかApple MusicとかGoogle Play MusicとかAmazon Musicの音楽のサブスクリプションサービス。

どれがどんな曲が多くて、値段がどれぐらいでってなことは他でいくらでも書いてあるのでここでは省略。では何について書くかというと、こういったサービスが日本でも当たり前になるのか?最近、音楽から離れてしまった人を取り戻すことができるのか?について。

そもそもどんな層を対象にしたサービスなのか?

awa

こういった音楽のサブスクリプションサービスは最近、急に始まった訳ではない。ちょっと前まではSONYがMusic Unlimitedってやつをやってたし、それよりも前にはドコモとタワレコが組んでNapsterやってたしね。kkboxとかdヒッツみたいに前からやってて今でも続いてるのもある。

ただだからといって日本でサブスクリプションサービスが根付いているのかって言うとこれは微妙。何故かって言うと色々と理由はあるんだろうけど、そもそも今のサブスクリプションサービスって日常的に音楽が好きでいっつも聞いてるって人しかお得感がないからではないかと思う。

普段、音楽を聞いてない人はおススメや気分で選ぶプレイリストなんて言われたってこれっぽっちも興味湧かないんだよね。新しいバンドやミュージシャンに出会いたいとか、今日は気分が乗らないので盛り上がる曲を聞きたいって思う人って、常に音楽を聞いてる人だけだよ。

この常に音楽を聞いている層ってのを、どれぐらいいると想定してサービスをしてるのかってとこが気になるところ。海外では結構な数がいるのかもしれない。

つまりApple Musicは音楽の好みを尋ねられて「ああ、音楽は好きだよ。カントリー以外ならなんでも聞くね」などと答える一般的な音楽ファンを想定している。壁一面にCDのカセットが並んでいたり、何箱ものレコードを収集していたりするような熱狂的なファンではなく、通勤の車の中で音楽ファンの友達が作ったミックスCDを何千回もかけるような平均的な人々のためのサービスだ。

Apple Musicはメインストリームを狙う―ターゲットは「何を聞いたらいいかわからない」カジュアルな音楽ファン-TechCrunch Japan

これはあくまでも私見だけど、”通勤の車の中で音楽ファンの友達が作ったミックスCDを何千回もかけるような平均的な人々”って本当に平均的?かなりの音楽好きでしょ。海外ではこれが平均的なのかな?だとしたら日本ではかなり限られた人向けのサービスってことになると思うよ。

サブスクリプションサービスは日本でも音楽の楽しみ方の一つとして、ある程度定着するとは思うけど、今のままじゃメインストリームにはならないと思うな。普段、それ程音楽聞かない人はYouTubeで十分だもん。

「索引」つければいいのについてない理由を邪推してみる

linemusic

結局、今現在音楽に対してさほど興味ない人を取り込もうと思ったら新しい曲、未知なアーティストに出会えるってアプローチではダメなんじゃないかな。そこを求めてる人だったら今でもちゃんと音楽聞いてるよ。そうじゃないから音楽聞かなくなってるんだもの。

で、じゃあどうする?の一つの答えは「索引」だと思う。

今はどのサービスも楽曲数が邦楽、洋楽含めて数百万曲程度なので無理だろうけど、1,000万曲超えたら是非、索引を作って欲しい。逆に言うと索引がなければ、今、それほど音楽に興味がない人を取り込むことはまず無理ではないかなと思う。

前述したように新たな音楽との出会いを求めている人なんて、根っからの音楽好き以外はまずいない。それ以外のほとんどの人は新しい音楽に「たまたま」出会えればラッキーかなって程度。とりあえずは過去に好きだった曲をもう一回聞いてみようぐらいの欲しかない。絶対にない。そしてその欲を叶えるのに必要なのは「検索」でなければ「レコメンド」でもない。「索引」なのだ。

過去に好きだった曲をなんとなく聞いてみたい。でもぼんやりとそう思ってるだけで具体的に誰の何て曲を聴きたいという強い思いがある訳ではない。だから検索があっても検索のしようがない。タイトルも歌手名も浮かばないんだもん。ましてやレコメンドなんて何の意味もない。そこに自分が聞きたかった曲が表示されるなんて奇跡はまず起こらないから。

では何故、現在どのサービスにも「索引」がないのか?これは多分だけど、どのサービスも今、索引作ると数百万曲あるって言ってるけど実態はしょぼいってのがばれちゃうから。特に邦楽ね。英語表記とカタカナ表記でダブってたり、インストゥルメンタルばっかりだったり、オルゴール曲だったり、オリジナルとベストで曲がダブってたりって感じで1曲が3~4曲ぐらいになってるのが多い。検索してるとなんとなーくそんなの多いなーって思ってるだけだけど索引にしちゃうと一目でそれが分っちゃう。だからじゃないのかなって勘ぐり。

ただ以前、Music Unlimitedも1,500万曲あったけど索引はなかったので、もしかしたら今あるサービスも曲数増えても索引はできないかもしれない。確か初期のiTunesStoreにはカテゴリ毎に索引があった記憶があるんだけどね。あれは見てるだけでも楽しかったけどなぁ。

なのでより多くの人を取り込みたいのであれば、まずは懐かしいあの歌に再会できるよって感じのアプローチをすると良いのではないかな?きっとその中から懐かしい曲を聴いてるうちに音楽が好きだった頃に戻って新たな音楽に興味を持つ人が出てくるよ。きっと。

大体、色々な音楽を好きなだけ聞けるってのがサブスクリプションサービスの売りのはずなのに新しい曲、未知なアーティストばっかり勧めるのっておかしいよね。自分がそうだからそう思うだけかもしれないけど。基本的に30歳過ぎてから今まで出会ってなかった新しいジャンルの音楽に興味持つなんてまずないからね。それってものすごいエネルギー使うから。当たり前だけど昔から好きだったの聞いてたら外れはないでしょ。新しいジャンル試して自分に合わなかった時の損した感とか徒労感はハンパないよ。

若い世代たくさん掴みたいなら、とにかく最新の曲を集めないといけない。そうしたとしても毎月数百円から千円のお金をはらうかどうか分からない。であれば高めの年齢層を狙って、過去の曲をたくさん集めた方がお金払って貰える確率高いと思うけどな。


    

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