商品自体の価値を下げて販売することの是非
ポール・マッカートニー、初来日以来48年ぶり武道館決定 10万円~1500円席も-ORICON STYLE
同じ人が同じ場所で同じ歌を唄うのを見るのに見る場所によって金額が最大6万円も違う(1,500円は場所ではなく年齢なので除外)。
でもこれはポールが好きな人がそれだけのお金を払う価値があると思って払ってる訳だから他人がどうこう言う話でもないよね。それに最前で見られるってのはファンにとっては大きな価値の一つだし。
ちなみにBiSが7月8日に横浜アリーナで行う解散ライブでも10万円のチケットが100席用意されてて既に完売らしい(通常6,000円の席はまだまだ余ってるけど)。
ポールのライブでは場所が違うというだけで10万円のチケットだからといって何か特典がつくわけではないけど、BiSの10万円チケットはその日だけのオリジナルTシャツとかライブ終焉後のミート&グリードとかライブ音源とか色々なおまけがついてる。
で、このおまけ(良い席ってのも含む)をつけてその分値段を高くするってのは商品自体の価値を損なうことはないし、その金額が高い安いってのは買う人が決めることなんだから、ある意味とても誠実な販売方法だと思う。
では誠実ではない販売方法って何なのかって言うと売る側が商品自体の価値と同等またはそれ以上の価値のあるオマケをつけましたよって言っちゃってしかも値段を上げずに売る方法。
なんでこれが誠実ではないかって言うと商品自体に価値はないですよって言ってるのと同じことだから。商品自体に価値がないものに値段をつけて売るなんてどう考えても不誠実でしょ?
以前書いた缶コーヒーについてるミニカーやフィギアなんかも値段はそのままだけど、あれは売る側は単なるオマケであって缶コーヒー以上の価値なんてないよってスタンスだよね。実際、オマケの原価なんてたかが知れてるし。
もちろん、缶コーヒーではなくオマケに価値を見出して買う人はいるだろうけどそれはあくまでも買う側の価値観であって売る側はそうじゃない。
でも例えば売る側がこの缶コーヒーと同じ値段のオマケをつけてこのオマケは缶コーヒーと同じぐらいの価値がありますよって言った上で、でも値段そのままで売ったとしたらそれは缶コーヒーの値段は0円ですよって言ってるのと同じことじゃないのかな?
なんかしら目立つことしないと気付いてさえ貰えないってのは分かるけど、だからって自分が自信をもって売りたいって商品の価値を下げてしまうのは本末転倒だよね。
損して元取れって考えを否定する訳ではないけど、期間限定で赤字出しても何とかその商品を売りたいって場合でもその商品の価値だけはちゃんと死守するべきだしそれを分かってくれるお客様に出会える方法を考えていかないと、いい商品であっても安っぽいイメージが付いちゃって本当に勿体ないよ。
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