アルバムの曲を収録順に聞く理由
この曲「Primal.2」がBiSのラストアルバムの1曲目と知ったのは確か1月の終わりぐらい。
曲調もそうだしPVの内容的にもこれが1曲目ってどうなのかなーってのが最初の感想だった。
それから約1ヵ月。今月5日に発売された「WHO KILLED IDOL?」とりあえず収録されている順に聞いてみてビックリ!このアルバムの1曲目はもうこの曲以外ありえないぐらいしっくりはまっている。
ちなみにこのアルバムのラストを飾るのはイエローモンキーのカバーで「プライマル。」ラストアルバムのラストがカバー曲ってのもこれまたどーなのさって感じなんだけど通しで聞いてみるとこれがまたピッタリとはまってる。
アルバムを収録順に聞くという聞き方
その昔、アルバムをシャッフルで適当な順番で聞くなんてことは出来なかった。
もちろんレコードからカセットテープにバラバラに録音すれば順番を変えることは可能だがそれは任意に変えているのであってシャッフルではない。
その後、レコードからCDに変わり、プレーヤーによってはシャッフル再生機能が付き、家の中では適当な順番で聞くことが可能になった。さらにはiPodなどデジタルプレーヤーの出現でむしろ収録順に聞くという事の方が少なくなっていく。
またiTunes Storeなどではアルバムの曲もばら売りされているため、試聴した上で気に入った曲だけを購入しそれをシャッフルして(しかもアルバム単位ではなくミュージシャン単位、果ては自分のプレーヤーに収録されている全ての楽曲単位で)聞くことが当たり前となる。
こうなってくるとミュージシャン側の意図(アルバムに収録する楽曲の選択とどの順番で聞いてもらうか)など何の意味もなくなってしまう。
もちろんこれは最近の話ではなくもう随分前からの話なので自分も今ではそんなことほとんど意識しなくなっていた。そんなところで聞いた「WHO KILLED IDOL?」
購入してから約1週間、かなりの回数聞き込んだけど全て収録順に聞いている。こんなことは10年以上振りかもしれない。
何故だろう?色々と理由を考えてみる。何故、1曲目と最後の曲がこんなにもしっくりはまっていると感じたのか?疑問を解くカギはここにある。
答えは一つ。
それは自分なりにBiSの今までの道のり(ストーリー)を見聞きし解釈し惚れ込んでいるから。
彼女たちのこれまでの色々な活動を鑑みた結果、この並びしか有り得ないと自分勝手なりに納得できたからだろう。
つまり自分は彼女たちの物語に巻き込まれている。だからこそちゃんと彼女たちのメッセージを受け取りたいと思う気持ちが収録順に聞くという行動に表れている。
それほど入れ込んでいるミュージシャンでなければ正直、聞く順番なんてどうでもいい。今も他のミュージシャンを聞く時は適当にシャッフルして聞いている。
人でも商品でも歴史、ストーリーを持っていないなんてことは有り得ない。どんなものであっても様々な歴史やストーリー、背景を背負っている。
BiSのラストアルバムは商品とストーリーの関係を考える上でとても重要な作品になりました。このテーマに関しては今後もことあるごとに書き続けて行こうと思います。
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