最後のピースはお客様と一緒に

公開日: : 最終更新日:2015/12/12 商品とストーリー, 想いの伝え方, 音楽に関すること , ,

パズルのピース

前に「ストーリーを知っている、知らないでこうも違うものなのか」の中で

 

妄想を膨らませる余地を残すってのがストーリーを作り上げていく上で実は重要な要素なのかも。歌でも人でも商品でもお店でもなんでもね。

提供する側が常に100%完璧なものを出してきちゃうと応援しようって気にならない。ちゃんとファンの妄想の余地を残して最後は一緒に作っていこうってのが熱狂的なファンを作るためには必要なのかなと。

って書いたんだけど、改めてこの部分について考えてみる。

何で改めて考えようかと思ったかって言うとこのブログを読んだから

先月5月28日、ぼくは国立競技場、「JAPAN NIHT」の会場にいた。国立競技場最後のエンタメステージということで、ベーシスト亀田誠治の音頭の下、いきものがかりや、ゆず、斉藤和義などが参加したアレだ。 そのイベントで3番手くらいにステージにたったのは、ナオト・インティライミ。正直ぼくは曲もあまり知らないし、流し観ようかと思ったのだが、MCが面白く、ついつい惹き付けられてしまった。そして、曲目さえ知らなかったのだが「The World is ours!」というらしい曲で、ナオトが次のように煽る。

「この曲は、皆で歌って初めて完成するんだ!」
その後、岸谷香、ゴスペラーズ、ゆず、斉藤和義と続いて、現れたのはウカスカジー。これもまたぼくはよく知らなかった訳だが、ミスチル桜井和寿の別ユニットだ。ぼくはミスチルのイメージを持ったまま彼らの舞台を始めてみたが、桜井さんもまた、ナオトと同じことを言った。
「この曲は、皆で歌って初めて完成するんだ!(そしてはじまる『♪Oh-Oh-Oh』」(大体だけどね)

新型ポップスの「楽しさ」はなぜ?:柴 那典氏「 ポップソングが「閉塞感」ではなく「楽しさ」を共有する時代へ」を読んで-ゆとりの視先

ライブ映えする楽曲というものがある。CDで聞いた時は悪くはないけど、何か物足りないなぁと思っていたがライブで生で聞いたらすっごく良かったってなる奴。

色々な要素はあるんだろうけどライブ会場という箱の中でミュージシャンと観客が一緒になって歌うことで一気に盛り上がる楽曲ってのもライブ映えするための一つの条件ではあると思う。

もちろん、そういった楽曲っていうのは別に最近急に出てきた訳ではない。

でも昔はほとんどなかったフェスっていう自分たちのファンだけがいる場所ではなく初見のお客さんもたくさんいる中でまずは小難しいこと抜きに一緒に参加してもらって楽曲を完成させていく過程を体験してもらうというのは自分たちを「覚えてもらう」、「興味を持ってもらう」上で今の音楽シーンの中ではとても重要なポイントになっているみたい。

元々の楽曲(商品)に力があるってことがまず大前提。その上でフェスのような多くの人が集まった場所でジグソーパズルの最後のピースをお客さんと一緒にはめ込んでいく。

単に音を届ける。伝える。だけではなく一緒に作り上げる。これこそが今の歌い手とお客さんの幸せな関係の一つの形であるってこと。

そしてこの記事の中にもう一つ印象的な部分がある。

80年代にウォークマンとヘッドフォンがポップスに与えた衝撃は相当なものがあったのではないかと思う。どうあがいても音の聴こえる範囲で周囲を巻き込んでいく「音楽」というメディアが、歴史上初めて完全に「個人」のものとなったからだ。

~中略~

「アーティスト」とは「個人の創作性」の発露にて作品をつくるものと思われているし、そうした「アーティスト」の描く等身大、ある意味私小説的な世界は、ヘッドフォンのようなものを媒介として、ユーザーと一対一で交わった。

それから20年あまり。音楽の現場は大きく変わった。CDで音楽を聴くことはもはやメジャーでなくなり、人々はyoutubeで大変快適に気軽に音楽を楽しんでいる。しかしそれは、お金にはならない。 そんな中、市場が注目するのは、ライブだ。特に近年増加が著しいのフェス。

*中略は筆者。

ウォークマンとヘッドフォンによってミュージシャンとお客さんが一対一で対峙していた80年代から現在のたくさんのミュージシャンが集い大勢で楽しむフェスへの流れ。

少し強引に実店舗やネットショップでのお客さんとのコミュニケーションに当てはめてみると対面やメール対応は基本的に一対一でのやりとりになる。しかしSNSはたくさんの競合が集う場所でそこにいる大勢の人とのやりとりになる。自分たちのファンもいるが初見の人だっている。つまりフェスだ。

初見の人にただ自分たちの商品、サービスであったり思いを一方的に伝えたり届けたりしても数ある競合の中に埋もれてしまうだけ。

ならばSNSではファンの人にもそうでない人にも参加してもらえる形を作っていくことが音楽シーンだけではなく全ての商売においても「今」の売り手とお客さんの重要なコミュニケーションなのではなかろうか?

新商品のネーミング募集とかお客さんの意見を取り込んだ商品開発ってことでは、多分ない。だって採用されなかった人は参加者意識持てないし。全員で歌うっていうようにそこにいる全員が参加している意識を持てるものじゃないと親しみは感じてもらえない。

色々な考え方はあるし正解は一つではないけど、その企業、店舗の歴史であったり一つの商品が出来ていく過程をしっかりと見せていくことがポイントだと思う。良いところも悪いところも(100%である必要はないけど)ちゃんと正直に提示して知ってもらうってことがそこにいる全員に参加者意識を持って楽しんでもらうことに繋がるんじゃないかな。

未完成の部分を見せつつ、最後にはみんなで一緒に最後のピースを嵌めることができれば多くの人の心に残る商品になっていくよ。

ちなみに対面やメール、電話などの個別対応は今でも当然、重要ですよ。今回はSNSでの人との関わり方についてなので。

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