士業のパソコン延長保証は何年?翌営業日修理と「データを渡さない修理」を5社比較

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確定申告の期限まであと2日という日に、パソコンが起動しなくなったらどうなるでしょうか。引取修理に出すと、手元に戻るまで1週間ほどかかります。士業にとってパソコンの故障は、期限と守秘義務の両方に関わる問題です。この記事では、そうした事態に備える保証とサポートの選び方を、結論から先にお伝えします。

参照(引取修理の日数):富士通 SupportDeskパック Liteをご契約のお客様

士業のパソコン保証は、この4つを押さえれば十分です

  1. 保証は4年にする:標準の1年では、故障が増える時期を守れません。レッツノートは、Web登録だけで無償で4年に延長できます。
  2. 法人向けの保守を付けられるモデルを選ぶ:翌営業日の訪問修理は、多くのメーカーで法人向けの保守として提供されています。
  3. 翌営業日に訪問修理が来るプランにする:引取修理にする場合は、修理中の代わりのパソコンを確保しておきます。
  4. 故障ドライブの返却不要サービスを付ける:主要5社のすべてにあります。顧客データの入ったドライブを、メーカーに渡さずに済むのが利点です。

▶ 各社の比較表を見る

参照(レッツノートの4年保証):パナソニック コネクト 4年間無償保証

30秒診断:あなたの事務所に合う組み合わせ

Q1.事務所で業務に使うパソコンは1台だけですか?
 いいえ → パターンC(複数台の事務所)へ
 はい → Q2へ

Q2.ノートパソコンを顧問先や役所に持ち出しますか?
 はい → パターンA(持ち歩く一人事務所)へ
 いいえ → Q3へ

Q3.土日や祝日にも申告書や申請書を作りますか?
 はい → パターンD(休日も作業する事務所)へ
 いいえ → パターンB(据え置き中心の一人事務所)へ

本題の前に、2つの言葉を整理しておきましょう。保証は、壊れたときに無償で直してもらう約束です。サポートは、困ったときに相談できる窓口を指します。この記事では両方を扱いますが、業務を止めないという点でより重要なのは保証の中身です。

パソコンの延長保証は何年にすべき?「いらない」は本当か

標準の1年保証では、故障が増える時期を守れない

業務用パソコンの標準保証は、多くのメーカーで1年です。たとえば富士通の法人向けパソコンは、標準では1年間のパーツ保証と1年目の引取修理にとどまります。一方で、パソコンは使い始めの初期不良の時期を過ぎると故障率が落ち着き、使用期間が長くなるほど壊れやすくなります。1年保証のままでは、この「壊れやすくなる時期」がまるごと保証の外に出てしまいます。

参照:富士通 SupportDeskパック Lite(翌営業日訪問修理)/mouse LABO パソコンの延長保証は必要か?

士業の答えは「4年」

士業の業務用パソコンなら、保証は4年をおすすめします。多くの事務所が4年前後でパソコンを入れ替えるため、使う期間と保証の期間がちょうど重なるからです。

なお、パソコンの法定耐用年数も4年です。ただし、これは財務省令で定められた税務上の償却期間にすぎません。4年で壊れるという意味ではない点に注意してください。

参照:国税庁 No.2100 減価償却のあらまし/国税庁 主な減価償却資産の耐用年数表

修理代と保証料金を比べる

保証が切れた後の修理は、部品代に作業費と送料が加わります。ThinkPadの引取修理を例にとると、作業費22,660円と送料4,070円が固定でかかり、その上に数万円の部品代が乗ると解説されています。液晶やマザーボードの交換になれば、1回の修理で延長保証の料金を超えることは珍しくありません。

参照:ThinkPad修理は高い?保証切れの料金相場と延長保証の価値を徹底比較

延長保証がいらない人もいる

反対に、延長保証を付けなくてもよいケースもあります。同じ環境の予備機がすぐ使える事務所や、2年ほどで買い替えると決めている方です。ただ、その場合も顧客データの扱いは別の問題として残ります。修理に出すときの顧客データの章だけは目を通しておいてください。

保証期間は同じでも「修理を待つ日数」が違う

保証を選ぶときに見落とされやすいのが、修理の方法です。同じ4年保証でも、引取修理と訪問修理では、業務が止まる日数が大きく変わります。

修理の方法故障から復旧までの流れ業務が止まる期間の目安
引取修理受付 → 集荷 → 修理センターで修理 → 返送約7日
翌営業日の訪問修理受付(締め切り時刻あり)→ 翌営業日に技術者が来て修理最短で翌営業日

参照:富士通 SupportDeskパック Liteをご契約のお客様/富士通 SupportDeskパック Lite(翌営業日訪問修理)

オンサイト修理(訪問修理)とは

オンサイト修理とは、技術者が事務所まで来て、その場で部品を交換するサービスです。パソコンを梱包して送る手間がなく、顧客データの入った機器が事務所の外に出ません。士業にとっては、時間とデータの両方を守れる修理方法です。

「翌営業日」の落とし穴:受付の締め切りと土日

翌営業日の訪問修理には、受付の締め切りがあります。締め切りを過ぎると、訪問は1日後ろにずれます。

メーカー受付の締め切り土日祝の訪問
Lenovo16時までにレノボが故障箇所を特定できた場合、その日が受付日標準では対象外
富士通15時までの受付で原則翌営業日。15時以降は原則翌々営業日対象外(訪問は月〜金の9時〜17時)
HP訪問は受付翌日の8:45〜17:30休日修理付きプランのみ対応

参照:レノボ 保証の延長とアップグレード/富士通 SupportDeskパック Lite(翌営業日訪問修理)/HP Care Pack サービス仕様 ハードウェアオンサイト/HP Care Pack 休日修理サービス

夕方にパソコンが止まった場合、受付が締め切りを過ぎれば訪問は翌々営業日です。金曜の夕方なら、次に技術者が来るのは火曜日かもしれません。故障に気づいたら、その場ですぐ電話するのが鉄則です。

対応地域も確認する

訪問修理には対応地域があります。HPの翌営業日対応は離島を除く全地域が対象です。Dellのオンサイトサービスは、最寄りの物流施設から最大150kmの範囲で提供されます。地方や離島に事務所がある方は、購入前に確認してください。

参照:HP Care Pack よくある質問/Dell ProSupport for Client Products サービス概要

修理中の代わりをどう確保するか

訪問修理でも、部品の取り寄せで日数がかかることはあります。そこで有効なのが、事務所に予備機を1台置いておく方法です。小型のミニPCなら置き場所を取らず、モニターとキーボードを使い回せます。会計ソフトや電子申請の環境を普段から入れておけば、故障した当日から作業を続けられます。

▶ 関連記事:士業事務所のIT環境を変えるミニPC完全ガイド

修理に出すと顧客データはどうなる?

通常の修理では、交換した故障ドライブはメーカーの回収対象です。故障していても、中に顧客の財務情報や個人情報が残っている可能性は否定できません。守秘義務を負う士業にとって、これは見過ごせない点です。

故障ドライブ返却不要サービスとは

返却不要サービスは、交換で取り外したドライブをメーカーに返さず、お客様の手元に残せるサービスです。名前に「HDD」と付いていても、多くはSSDも対象になります。HPの仕様書でも、SSDを含むドライブがお客様の所有になると定義されています。

主要5社は、どこもこのサービスを用意しています。

メーカーサービス名付け方
Lenovoハードディスク返却不要サービスオプション(購入後30日以内に登録)
DellHDD返却不要サービス(KYHD)ProSupport Plusは標準、ProSupportはオプション
HPHD返却不要訪問修理のプランに追加
PanasonicHDD/SSD返却不要サービスプラス1年あたり1,100円(税込)
富士通故障ストレージの引き渡し上位のSupportDeskパックに含まれる

参照:レノボ ハードディスク返却不要サービス/Dell ProSupport Client Suite/HP Care Pack サービス仕様/パナソニック HDD/SSD返却不要サービスプラス/富士通 サービス価格一覧(法人向けパソコン)

データ消去の証明書まで出るサービス

HPには、返却不要に加えてデータ消去まで行うプランがあります。手元に残ったドライブを技術者が客先で消去し、作業の完了証明書を発行します。情報管理の記録を残したい事務所には心強い選択肢です。

参照:HP Care Pack サービス仕様 ハードウェアオンサイト

修理に出す前の5分チェック

修理を依頼する前に、次の4点を確認しておくと、戻ってきた後の復旧が早くなります。

  • BitLockerの回復キーを控えているか:マザーボードを交換すると、起動時に回復キーを求められることがあります。キーが分からないと、データがあっても起動できません。Microsoftアカウントに保存されているかを事前に確認してください。
  • 直近のバックアップがあるか:修理ではデータの保全は約束されません。クラウドや外付けドライブに、最新の状態を残しておきます。
  • 電子証明書や申請ソフトの設定を控えたか:電子申請に使う証明書のファイルやICカードリーダーのドライバは、再設定に時間がかかります。
  • ソフトのライセンス認証を解除できるか:会計ソフトなどは、ドライブ交換の後に再認証を求められる場合もあるでしょう。

▶ 関連記事:士業の情報漏洩対策ガイド

個人事業主でも法人向けパソコンは買える?

買えます。法人向けモデルは、個人事業主や一人事務所でも購入できます。申し込み先は、各メーカーの法人向け直販サイトや販売店です。

個人向けと法人向けの保守の違い

家電量販店に並ぶパソコンの多くは個人向けモデルです。法人向けモデルとの差が大きいのは、本体の性能より保守の選択肢でしょう。

比較項目個人向けモデル法人向けモデル
標準保証1年の引取修理が中心1年の引取修理が中心(一部は3年)
翌営業日の訪問修理選べないことが多い有償で追加できる
故障ドライブ返却不要ほぼない主要5社すべてにある
休日の訪問修理ほぼないHPなど一部で選べる

参照(法人向けの標準保証):HP Care Pack ハードウェアサービス価格表(ノートブック)

業務で顧客データを扱うなら、法人向けの保守を付けられるモデルを選んでください。どのモデルを買うか迷っている方は、次の記事も参考にしてください。

▶ 関連記事:士業PC購入完全ガイド/士業が開業1年目に揃えるIT環境まとめ

主要5社の保守サービス比較

ここからは、Lenovo、Dell、HP、Panasonic、富士通の法人向け保守を比べます。価格や条件は2026年9月25日に各社の公式情報で確認したものです。変更される場合があるので、申し込む前に必ず公式サイトで確認してください。

早見表

メーカー翌営業日の訪問修理電話サポート故障ドライブの扱い保証期間
Lenovo○(16時までの特定で当日受付)プレミアサポート・プラスは24時間365日返却不要(オプション)最長5年
Dell○(物流施設から150km以内)ProSupportは24時間365日返却不要(Plusは標準)構成画面で選択
HP○(離島を除く全地域)プランによるHD返却不要、データ消去付きもあり最長5年
Panasonic△(最短3日)9〜17時・365日HDD/SSD返却不要(有償)無償で4年、有償で5年目も延長可
富士通○(15時締め。表記は「翌営業日以降」)上位プランで24時間365日上位パックで故障ストレージを引き渡し3〜5年

参照:レノボ 保守・サポート一覧/Lenovo Consumer Services/Dell ProSupport Suite for PCs/Dell ProSupport サービス概要/HP Care Pack よくある質問/HP Care Pack ハードウェアオンサイト/パナソニック レッツノート FC7/パナソニック 延長保証・拡張保証/富士通 サービス価格一覧

申込期限の一覧(買った後では間に合わないことがある)

保守サービスは、申し込める期間が決まっています。期限を過ぎると、後から付けたくても付けられません。

メーカーいつまでに申し込むか申し込んだ後の手続き
Lenovo基本保証の期間中(90日以内を推奨。物損保証は90日以内が必須)サービス購入後30日以内に登録
Dell保守は購入後も追加できる。物損保証は本体と同時が確実後から物損保証を付けると30日の待機期間あり
HP本体の購入日から1年以内(故障中は不可)登録が必要
Panasonic購入から1か月以内にWeb登録(無償の4年保証)―
富士通本体と同時購入のみカスタムメイドで選べば登録不要

参照:Lenovo 保証の権利 よくある質問/レノボ 保証の延長とアップグレード/Dell 保守サポートサービスの延長/Dell ビジネス向け保証の延長およびアップグレード/HP Care Pack Essential/パナソニック PC関連サービス/富士通 WEB MART 保証サービスについて

特に注意したいのは、富士通とLenovoです。富士通は、本体を買った後に保守を足せません。Lenovoは、保守を買っただけでは始まらず、30日以内の登録が必要です。

4年間の保証込みの費用比較

「4年間・訪問修理・故障ドライブを手元に残す」という条件で、公式の価格表から費用を比べました。ノートパソコン1台あたりの金額です。

メーカー(対象)4年間の訪問修理故障ドライブを手元に残す構成
Panasonic(レッツノート)0円(Web登録で4年間無償。訪問修理も選択可)4,400円(返却不要1,100円×4年)
HP(ProBook 4など Pro 400シリーズ)37,510円(Essential 翌日対応)48,070円(HD返却不要 翌日対応)
富士通(LIFEBOOK モバイルノート)29,920円(保証延長パック 翌営業日以降訪問修理)80,300円(故障ストレージ引き渡し付きの上位パック)
Lenovo・Dell機種と構成で変わるため、購入画面で確認

HPはメーカー希望小売価格(税込)です。富士通は税別の標準価格に10%を加えて税込にしました。富士通の上位パックには、当日訪問と落下・水濡れの修理も含まれます。

参照:パナソニック 4年間無償保証/パナソニック HDD/SSD返却不要サービスプラス/HP Care Pack ハードウェアサービス価格表(ノートブック)/富士通 サービス価格一覧(法人向けパソコン)

レッツノートの安さが際立ちます。4年間の訪問修理と返却不要を合わせても4,400円です。本体価格は高めですが、保守まで含めた4年間の総額で見ると差は縮まります。

▶ 本体を含めた比較は、こちらの記事で紹介しています:士業におすすめのパソコン

Lenovo(ThinkPadなど)

向いている人:24時間相談できる窓口がほしい方

法人向けの最上位は「プレミアサポート・プラス」です。24時間365日のハード・ソフトのサポートに加え、部品の優先手配と翌営業日のオンサイト対応が付きます。ハードディスク返却不要サービスや物損保証(アクシデント・ダメージ・プロテクション)は、別途追加するオプションです。

保証は最長5年まで延長できます。ただし、内蔵バッテリーの交換サービスは最長3年で、ほかの保守とは期間が異なります。

注意点:保守は購入後30日以内の登録が必要です。物損保証は、本体の購入から90日以内に申し込む必要があります。

参照:レノボ 保守・サポート一覧/Lenovo Premier Support Plus/Lenovo Consumer Services/Lenovo 保証の権利 よくある質問

Dell(Dell Proシリーズ・旧Latitude)

向いている人:物損保証と返却不要をまとめて付けたい方

Dellは2025年に製品名を整理し、法人向けのLatitudeは「Dell Pro」に変わりました。保守の中心は「ProSupport」と「ProSupport Plus」です。ProSupportには、24時間365日のサポートと翌営業日のオンサイト修理が含まれます。

ProSupport Plusでは、故障ドライブを手元に残すサービスと、落下や液体こぼれの修理が標準で付きます。士業が必要とする内容が1つのプランに揃っているのは、Dellの強みです。

注意点:オンサイトの対象は、最寄りの物流施設から最大150kmの範囲です。価格は構成画面でしか表示されないので、保守を選び直して差額を確認してください。

参照:PC Watch Dellが「Dell Pro」を導入した背景/Dell ProSupport Suite for PCs/Dell ProSupport Client Suite/Dell ProSupport サービス概要

HP(EliteBook・ProBookなど)

向いている人:土日も作業する方、価格を比べて選びたい方

HPの保守は「HP Care Pack」です。5社の中で唯一、全プランの価格表が公開されていて、費用を比べやすいメーカーです。Pro 400シリーズの場合、4年間の訪問修理(翌日対応)は37,510円、休日修理付きは46,090円で申し込めます。

土日祝の訪問修理を選べる点は、HPならではの特徴といえます。休日に申告書を仕上げる士業にとって、このプランは他社にない安心材料です。

注意点:Care Packの申込期限は、本体の購入日から1年以内です。故障中のパソコンには付けられません。

参照:HP Care Pack ハードウェアサービス価格表(ノートブック)/HP Care Pack 休日修理サービス/HP Care Pack Essential

Panasonic(レッツノート)

向いている人:保守の費用を抑えたい方、顧問先への持ち歩きが多い方

購入から1か月以内にWeb登録するだけで、1年保証が4年間の無償保証になります。この無償保証でも、訪問修理を選べます。落下や水濡れ、盗難に備える有償の拡張保証もあり、訪問修理付きの物損補償は4年間で23,100円です。

修理体制も明示されています。訪問修理は全国52か所の拠点から、社内試験に合格したエンジニアが対応します。大阪の修理センターでは、入退室時のICカード認証と金属探知、複数台のカメラによる24時間監視を行っています。

注意点:訪問修理は翌営業日ではなく、最短3日です。電話の相談窓口は9時〜17時(365日受付)です。

参照:パナソニック PC関連サービス/パナソニック 延長保証・拡張保証/パナソニック 安心のサービス体制/パナソニック レッツノート FC7

富士通(LIFEBOOKなど)

向いている人:OSやOfficeの相談も同じ窓口でしたい方

2026年1月以降のモデルでは、翌営業日以降の訪問修理は「保証延長パック」として提供されています。モバイルノートの場合、4年間で27,200円(税別)です。上位のSupportDeskパックでは、OSやOffice製品の問い合わせにも専門技術者が対応します。24時間365日のサービス時間帯も選べます。

注意点:保守は本体と同時に買う必要があり、後から追加できません。15時を過ぎた受付は、原則として翌々営業日の訪問になります。

参照:富士通 サービス価格一覧(法人向けパソコン)/富士通 SupportDeskパック Lite(翌営業日訪問修理)/富士通 WEB MART 保証サービスについて

繁忙期に止まると困るのは誰か:士業別の考え方

どの保守が必要かは、資格ごとの業務の波で変わります。期限のある仕事が集中する時期にパソコンが止まる影響を、資格別に整理しました。

資格止まると困る時期・場面優先したい保守
税理士確定申告期、決算が集中する月翌営業日の訪問修理と予備機。休日作業が多いなら休日修理付き
社労士労働保険の年度更新、算定基礎届の時期翌営業日の訪問修理
司法書士決済日に合わせた登記申請翌営業日の訪問修理と予備機
行政書士許認可の申請期限、役所での待ち時間の作業物損保証と訪問修理
弁護士期日前の書面作成訪問修理と故障ドライブ返却不要

▶ 資格別のパソコン選び:税理士/司法書士/行政書士/弁護士

頼れるサポート窓口の見分け方

保証が「壊れたときの約束」なら、サポートは「困ったときの窓口」です。窓口を選ぶときは、次の3点を確認してください。

  • 自分が作業する時間帯に電話がつながるか:夜や休日に作業するなら、平日日中だけの窓口では役に立ちません。
  • 故障の切り分けをしてくれるか:会計ソフトや電子申請ソフトそのものは、メーカーの対象外であることがほとんどです。それでも、パソコン側の問題かどうかを判断してもらえるだけで、解決はぐっと早くなります。
  • 電子申請の窓口を別に控えているか:e-TaxやeLTAX、e-Govには、それぞれ専用のヘルプデスクがあります。メーカーの窓口とは別に、連絡先を手元に置いておきましょう。

保証の対象外になるケース

ケース通常の保証備え方
落下・水濡れ・衝撃対象外物損保証を付ける
OSやソフトの不具合対象外(サポートの範囲)サポート窓口に相談する
バッテリーの劣化消耗品として対象外のことが多いバッテリー交換のオプションを確認する
メーカー以外での分解・修理保証が無効になる必ず正規の窓口に依頼する
データの消失対象外日頃のバックアップで備える

ノートパソコンを顧問先や役所に持ち歩くなら、物損保証はほぼ必須です。持ち運び用のパソコン選びは、次の記事で詳しく解説しています。

▶ 関連記事:「持ち運び重視」士業向けノートPC完全ガイド

延長保証の費用は経費になる?

業務用パソコンの保証料は、事業の経費にできます。ただし、処理の仕方にはいくつか決まりがあります。

保証料は本体の取得価額に含めないのが一般的

減価償却資産の取得価額は、原則として購入代価と、事業に使うために直接要した費用の合計です。延長保証は購入後の修理サービスの対価なので、本体の取得価額には含めないのが一般的な扱いです。つまり、10万円未満などの判定は本体の価格だけで行います。

参照:国税庁 No.5400 減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用/税理士相談Q&A by freee「事業用パソコンの購入について」

2026年4月から、40万円未満まで一括で経費にできる

令和8年度の税制改正で、中小企業者等の少額減価償却資産の特例が広がりました。一括で経費にできる上限が、30万円未満から40万円未満に引き上げられています。適用期限は令和11年3月末まで延び、年間300万円までという上限は変わりません。令和8年4月1日以降に取得した資産が対象です。

高性能な業務用ノートは30万円台が増えています。こうした機種も、本体価格が40万円未満なら購入した年に経費にできます。適用には青色申告などの要件があるので、顧問税理士に確認してください。

参照:経済産業省 少額減価償却資産の特例を拡充しました/東京税理士会連合会 令和8年度税制改正 法人税①

複数年分の保証料は、原則として期間に応じて分けて経費にする

何年分かの保証料を一度に払った場合は、原則としてまず資産に計上します。そのうえで、サービスを受けた期間に応じて経費にしていきます。支払ってすぐ全額を経費にできる「短期前払費用」の特例は、支払日から1年以内に受けるサービスが対象です。3〜5年の延長保証は、この特例の対象になりません。個人事業主の場合も、同じ趣旨の取扱いです。

実務では、少額であれば一括で経費にしている例もあります。どちらで処理するかは、顧問税理士に確認してください。勘定科目は、保険料ではなく保守料や支払手数料とするのが一般的です。

参照:国税庁 No.5380 短期前払費用として損金算入ができる場合/税理士ドットコム 延長保証費の処理/BANZAI税理士事務所 延長保証料の勘定科目

なお、レッツノートの無償4年保証なら、保証料そのものがかからないので、こうした処理は要りません。

あなたの事務所に合う組み合わせ

冒頭の30秒診断の結果ごとに、おすすめの組み合わせをまとめました。

パターンA:ノートを持ち歩く一人事務所

4年保証、訪問修理、故障ドライブ返却不要、物損保証の4点を揃えます。1台しかないパソコンを外に持ち出すので、落下と故障の両方に備える必要があります。レッツノートなら、無償の4年保証に返却不要(4年4,400円)と物損補償(4年23,100円)を足す構成がおすすめです。

参照:パナソニック 延長保証・拡張保証/パナソニック HDD/SSD返却不要サービスプラス

パターンB:据え置き中心の一人事務所

4年保証、翌営業日の訪問修理、故障ドライブ返却不要が基本です。持ち出さないので物損保証の優先度は下がります。その分の予算で、ミニPCの予備機を置いておくと安心です。

パターンC:スタッフがいる複数台の事務所

1台が止まっても、ほかのパソコンで業務を続けられます。全台に高いプランを付けるより、4年の引取修理にして、予備機を1台置く方法も合理的です。ただし、顧客データを保存するパソコンには返却不要サービスを付けてください。

▶ 関連記事:スタッフを抱える士業事務所がいま見直すべきIT管理チェックリスト

パターンD:土日も作業する事務所

土日祝にも訪問修理が来るのは、HPの休日修理付きプランです。Pro 400シリーズなら、4年間の休日修理付き翌日対応は46,090円です。故障ドライブ返却不要も付けたい場合は、4年で56,760円のプランがあります。

参照:HP Care Pack ハードウェアサービス価格表(ノートブック)

購入前のチェックリスト

保証

  • 保証期間は4年になっているか
  • 翌営業日の訪問修理か。受付の締め切り時刻は何時か
  • 事務所の所在地は訪問修理の対象地域か
  • 故障ドライブの返却不要サービスを付けたか
  • 持ち歩くなら、物損保証を付けたか
  • 申込期限と登録期限をカレンダーに入れたか

サポートと備え

  • 作業する時間帯に電話窓口がつながるか
  • e-TaxやeLTAX、e-Govのヘルプデスクの連絡先を控えたか
  • BitLockerの回復キーを確認したか
  • バックアップを定期的に取る仕組みがあるか

よくある質問

Q.延長保証は、パソコンを買った後からでも入れますか?

メーカーによります。HPは購入日から1年以内なら申し込めます。一方、富士通は本体と同時にしか買えません。Lenovoの物損保証は購入から90日以内です。迷ったら、本体と同時に申し込むのが確実です。

参照:HP Care Pack Essential/富士通 WEB MART 保証サービスについて/Lenovo 保証の権利 よくある質問

Q.中古パソコンやリースでも十分な保守を受けられますか?

中古パソコンは、保証がないか、あってもごく短いものが大半を占めます。メーカーの保守を後から付けられない場合も多いため、業務用にはおすすめしません。リースの場合は、保守の内容が契約ごとに違います。訪問修理と故障ドライブの扱いを、契約前に確認してください。

Q.データが消えたら、保証で復旧してもらえますか?

通常の保証では、データの復旧は対象外です。修理で部品を交換すると、中のデータは戻らないと考えてください。唯一の対策は、日頃からバックアップを取っておくことです。

Q.メーカーの保証と、家電量販店の延長保証はどちらがいいですか?

士業の業務用なら、メーカーの法人向け保守をおすすめします。量販店の延長保証は引取修理が中心で、訪問修理や故障ドライブの返却不要は選べないことがほとんどです。修理期間の短さとデータの扱いを重視するなら、メーカーの保守が有利です。

まとめ

士業のパソコン保証は、「4年・訪問修理・故障ドライブ返却不要」の3点を基本に考えましょう。持ち歩くなら物損保証を、土日も作業するなら休日修理を足してください。

そして何より大切なのは、申込期限です。富士通は本体と同時、Lenovoは登録が30日以内、レッツノートは1か月以内のWeb登録が必要です。パソコンを注文する画面で、保守まで一緒に決めてしまいましょう。

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