先に結論をお伝えします。士業が仕事用に買うパソコンの目安は、Windows 11 Pro・メモリ16GB・SSD 512GBを満たす構成で、セールやクーポンを使えば約12万円から、通常価格なら約17万円からです。
1kg前後の軽さも求めるなら約17万円から、税理士のようにテンキーや広い画面も欲しいなら約24万円からを見込んでおきましょう。購入先はメーカー直販サイトが第一候補で、個人事業主でも購入できます。
ただし、価格や購入先より先に確かめたいことがあります。業務で使うシステムが、そのパソコンで動くかどうかです。この記事では、購入を5つの手順に分けて整理し、買った後の設定まで案内します。
まだWindows 10のパソコンを使っているなら、買い替えを急いでください。Microsoftの通常のサポートは2025年10月に終わり、安全のための更新を受け続けるには有料の延長プログラムなどが必要です。あなたに合う記事の選び方から、次の1台を探しましょう。
※価格は2026年9月時点で、各記事で確認した値です。構成や時期で変わるので、購入前に販売ページで最新の価格をご確認ください。
あなたに合う記事の選び方
2段階で選ぶと迷いません。先に士業別の記事で、業務システムの前提とおすすめの機種を確かめます。次に、働き方に合わせて候補を絞りましょう。
ステップA:士業別の記事で、業務の前提を確かめる
| 士業 | 記事でわかること |
|---|---|
| 弁護士におすすめのパソコン3選 | mintsでの電子申立てに合う環境と、おすすめの機種(約17万〜20万円) |
| 行政書士におすすめのパソコン3選 | 電子定款や在留申請のシステムに合う環境と、おすすめの機種(約17万〜20万円) |
| 税理士におすすめのパソコン2選 | テンキーや広い画面が要る理由と、おすすめの機種(約24万円から) |
| 司法書士におすすめのパソコン4選 | 登記のオンライン申請や決済の現場に合う環境と、おすすめの機種(約12.5万〜30万円) |
ステップB:働き方で候補を絞る
| あなたの働き方 | おすすめの記事 |
|---|---|
| 予算を15万円前後に抑えたい(セール・クーポン込み) | 士業のコスパ重視パソコン(15万円前後) |
| 外出や訪問が多い | 「持ち運び重視」士業向けノートPC 完全ガイド |
| 今のパソコンが重い・止まる | 士業のパソコンが重い・止まる原因と解決策(事務所向け高性能パソコン2選) |
| 何を重視すべきか迷っている | 士業におすすめのパソコン3選(迷ったらこの1台) |
| 事務所に据え置いて使う | ミニPC完全ガイド |
士業も働き方も決め手がないなら、迷ったらこの1台の記事が近道です。約20万円のHP EliteBook 6 G1i 14を本命に、15万円以内と軽さ重視の計3台を、3年間の保証込みの総額で比べています。
記事を読む前に、買う前の手順をひととおり知っておくと、比べるときの目が変わります。次の章は5分ほどで読めます。
士業のPC購入 5つの手順
士業のパソコン選びは、次の順番で進めるのが失敗を防ぐ近道です。
- 業務で使うシステムの動作環境を確かめる
- 必要な構成を決める
- 予算の目安を知る
- 保証とサポートを決める
- 購入先を選ぶ
一般的なパソコン選びと違うのは、最初の手順です。順に見ていきましょう。
手順1:業務で使うシステムの動作環境を確かめる
士業の業務では、国や裁判所の電子申請システムを使う場面が増えています。こうしたシステムには、OSやブラウザ、ソフトの前提が定められている場合も少なくありません。
- 弁護士:2026年5月21日の改正民事訴訟法の全面施行により、訴訟代理人にはmintsによる電子申立てが義務づけられた。mintsの推奨ブラウザはMicrosoft EdgeとGoogle Chrome
- 行政書士:電子定款で使う申請用総合ソフトには、Windows向けの.NET Framework 4.8.1が必要。在留申請オンラインシステムは、Edge(Chromium版)とMicrosoft 365 Appsを前提としている
- 司法書士:登記のオンライン申請で使う申請用総合ソフトも、同じくWindows向けのソフト。業務ソフトには、ARM版Windowsに非対応のものや、ネットワーク版で有線LANが必須のものもある
- 税理士:会計・申告ソフトの対応OSは製品ごとに違う。事務所のサーバーにつなぐ型なら、ソフト会社にパソコンの条件を確かめる
MacやArm版のWindowsを検討している方は、特に注意が必要です。士業ごとの詳しい動作環境は、士業別の記事でまとめています。
参照:法務省「民事関係手続等における情報通信技術の活用等の推進を図るための関係法律の整備に関する法律について」/登記・供託オンライン申請システム「ソフトウェアのダウンロード」/出入国在留管理庁「利用環境」
手順2:必要な構成を決める
士業の仕事に使うなら、次の3つを最低ラインにすることをおすすめします。
- Windows 11 Pro:暗号化機能のBitLockerを管理でき、事務所のネットワークにも参加できる。Homeにも暗号化の機能はあるが、使える条件が限られる
- メモリ16GB以上:Word、Excel、PDF、ブラウザを並べて開いても動作が重くなりにくい
- SSD 512GB以上:書類のデータが年々増えても容量に余裕を持たせやすい
税理士は、この3つに加えてテンキーと広い画面、32GBのメモリまで検討する価値があります。理由は税理士の記事で解説しています。
ここで注意したいのが、同じ機種名でも構成によって価格が大きく変わる点です。
| 機種 | 最も安い構成 | 3つの条件を満たす構成 |
|---|---|---|
| Lenovo ThinkBook 14 Gen 9 | 133,100円(Home・8GB・256GB) | 257,840円 |
| HP ProBook 460 G11 | 162,030円(Home・8GB・256GB) | 229,130円 |
機種名で検索して見つけた最安値は、条件を満たさない構成であることが少なくありません。構成で比べる方法は、コスパ重視の記事で詳しく紹介しました。
手順3:予算の目安を知る
手順2の条件を満たしたうえで、何を重視するかによって価格の目安は変わります。
| 重視すること | 価格の目安 | 詳しい記事 |
|---|---|---|
| 割引を使って、条件を満たす範囲で安く | 約12.5万〜15.3万円(セール・クーポン適用時) | コスパ重視 |
| 士業の業務に合わせた標準的な1台 | 約17万〜20万円 | 迷ったらこの1台・行政書士・弁護士・司法書士 |
| 1kg前後の軽さや堅牢性 | 約17万〜30万円 | 持ち運び重視 |
| メモリ32GBで、重い・止まるを解消 | 約20万〜25万円 | 高性能モデル |
| テンキー・広い画面・大容量メモリ | 約24万〜33万円 | 税理士 |
40万円未満のPCは一括で経費にできる場合がある
令和8年度の税制改正で、中小企業者等の少額減価償却資産の特例が見直されました。対象となる取得価額が40万円未満に引き上げられ、合計300万円までを限度に、取得した年に全額を経費にできる仕組みです。個人事業主の所得税にも同様の措置が講じられています。対象は青色申告を行う中小企業者等に限られるので、適用できるかはご自身の状況で確認してください。
参照:中小企業庁「少額減価償却資産の特例」/財務省「令和8年度税制改正の大綱」
手順4:保証とサポートを決める
業務用のパソコンが止まると、顧客への対応にも影響が出ます。購入前に、標準の保証期間と延長できる年数を確認しておきましょう。直販サイトのパソコンでも、標準保証が1年のモデルは少なくありません。
- ASUS ExpertBookシリーズ:標準保証は1年。有料の「あんしん保証プレミアム」で合計3〜5年に延長できる
- FMV Store:カスタムメイドモデルは3年、カタログモデルとエントリーモデルは1年。延長保証とワイド保証で合計3〜5年にできる
参照:ASUS Store「ASUSのあんしん保証プレミアム3年パック(ExpertBook/Chromebook用)」/FMV Store「メーカー保証について」
保証を何年にするかは、PC保証・サポート選びガイドで解説しました。主要5社の保守サービスを並べた比較表もあります。延長保証には申込期限があるものも多いので、注文の前に確認してください。
手順5:購入先を選ぶ
購入先ごとの特徴は、次の章で比べていきましょう。
安心できる購入先の比較
士業が仕事用のパソコンを買う主な購入先は、次の4つに分けられます。
| 購入先 | 推奨度 | 向いている人 |
|---|---|---|
| メーカー直販サイト | ★★★★★ | 構成と保証を自分で選びたい方 |
| Amazon・楽天市場の公式ショップ | ★★★★☆ | ポイント還元や早い納品を重視する方 |
| 家電量販店 | ★★☆☆☆ | 購入前に実機を触って確かめたい方 |
| 法人向け販売店 | ★★★★☆ | 複数台をまとめて導入する事務所 |
メーカー直販サイト
士業に最もおすすめできる購入先です。OS、メモリ、SSD、保証を自分で選べるので、手順2と手順4で決めた条件どおりに注文できます。
ASUS StoreやFMV Storeのように、個人でも購入できる直販サイトがあり、個人事業主が法人として登録する必要はありません。
注意したいのは、直販サイトごとに条件が違う点です。たとえばASUS Storeでは、購入者の都合による返品・交換・キャンセルを受け付けていません。注文の前に、構成と保証をよく確認してください。
参照:ASUS Store「ASUS ExpertBook P1(P1403CVA)」(ショッピングに関するよくあるご質問)
Amazon・楽天市場の公式ショップ
ポイント還元や、在庫品の早い納品が魅力になります。メーカーの公式ショップが出店している場合もあるのが特徴です。たとえばDynabookは、Amazonに「【Dynabook公式】Dynabook Direct」を出店しています。
一方で、第三者の出品者から購入すると、保証やサポートの条件が異なるかもしれません。出品者がメーカーの公式ショップか、正規の販売店かを必ず確認しましょう。
参照:Amazon「【Dynabook公式】Dynabook Direct」
家電量販店
店頭で実機を触り、キーボードの打ち心地や画面の見え方を確かめられるのが利点です。ただし、法人向けモデルの取り扱いは少ない傾向があり、構成を選べない場合もあります。実機の確認に使い、購入は直販サイトで行う方法も有効でしょう。
法人向け販売店
複数台の導入や、ネットワークを含めた事務所のIT環境をまとめて相談したい場合に向いています。取引の条件は販売店ごとに異なるので、個人事業主は利用できるかを事前に確認してください。職員のパソコンをそろえるときの流れは、職員のパソコンを用意する事務所へで紹介しています。
買ったら最初にやる5つの設定
新しいパソコンは、届いた日が一番整えやすい日です。業務のデータを入れてからでは、やり直しの手間が何倍にもなります。顧客の情報を入れる前に、次の5つを済ませてください。
- Windows Updateを最後まで済ませる:届いた時点のWindowsが、最新の状態とは限りません。
- 暗号化がオンになっているか確かめる:設定の「プライバシーとセキュリティ」にある「デバイスの暗号化」か「BitLocker」で確認できます。回復キーは、修理のときに求められることがあるので必ず控えましょう(修理に出すときの注意点)。
- ウイルス対策を決める:Windows標準のDefenderで足りるか、有料版が必要かは事務所の使い方で決まります。30秒の診断で確かめられます。
- メールや会計ソフトに多要素認証を設定する:パスワードが漏れても、乗っ取りを防げます(アカウント・権限管理)。
- 古いパソコンのデータを消す:データを移し終えたら、「このPCをリセット」で「すべて削除」を選び、ドライブのクリーニングまで行います。処分はメーカーの回収窓口を使いましょう。
職員のパソコンを用意する事務所へ
職員を迎えるときは、パソコンを買うだけでは準備が終わりません。次の4つを、入社日までにそろえておくと安心です。
- 台数分のパソコン:職員用はコスパ重視の機種や、机に据え置くミニPCで費用を抑えられます
- 職員ごとのアカウント:共有のIDは使わず、入社日に1人ずつ発行します(入社時の手順)
- 台数に合ったセキュリティソフト:職員のパソコンの状態を所長が確かめられる製品なら、管理の手間が減ります(台数別のおすすめ)
- 事務所のルール:税理士事務所なら、規模別の対策を税理士事務所のセキュリティ対策にまとめています
パソコンと一緒にそろえたいもの
事務所で使うもの
- Office:Word・Excelの書式や、在留申請の一括申請で必要になる場面がある(Word・Excel・Microsoft 365選び方ガイド)
- 外部モニター:書類を並べて表示でき、作業の効率が上がる(モニター・ディスプレイ完全ガイド)
- キーボードとマウス:長時間の入力の負担を減らす(キーボード・マウス選びの完全ガイド)
外出先で使うもの
- モバイルモニター:出先でも2画面で書類を確認できる(モバイルモニター完全ガイド)
- モバイルバッテリーと充電器:訪問先でのバッテリー切れを防ぐ(モバイルバッテリー・GaN充電器完全ガイド)
- ガジェットポーチ:ケーブルや認証カードを1つにまとめ、忘れ物を防ぐ(外出用ガジェットポーチ完全ガイド)
- タブレット:資料の閲覧や顧客への説明に使う(タブレット活用ガイド)
よくある失敗と防ぎ方
士業のパソコン購入でよくある失敗は、手順のどこかを飛ばしたときに起こりがちです。
| よくある失敗 | 防ぐ方法 |
|---|---|
| 業務システムの動作を確かめずにMacなどを選ぶ | 手順1 |
| 機種名で最安値を選び、OSがHomeやメモリ8GBだった | 手順2 |
| 標準の1年保証のまま使い続け、故障で業務が止まる | 手順4 |
| 中古品や出品者の分からない製品を選び、保証が受けられない | 購入先の比較 |
| 暗号化やウイルス対策を確かめないまま、顧客のデータを入れる | 最初にやる5つの設定 |
| 古いパソコンを、データを消さずに処分する | 最初にやる5つの設定 |
よくある質問
Macは仕事に使えますか?
使えるかどうかは、業務で使うシステムで決まります。登記や電子定款で使う申請用総合ソフトはWindows向けです。士業別の記事で前提を確かめてから選んでください。
生成AIを使うなら、Copilot+ PCが必要ですか?
必須ではありません。ChatGPTやGeminiなどはインターネット上で動くので、ブラウザが快適に動くパソコンなら使えます。Copilot+ PCの専用機能は、パソコンの中で動く一部のAI機能のためのものです。業務での使い方は士業の生成AIの始め方で紹介しています。
パソコンは経費で一括で落とせますか?
青色申告の中小企業者等なら、40万円未満のパソコンを取得した年に全額経費にできる特例があります。条件は手順3の特例の説明をご覧ください。
まとめ
士業のパソコンは、業務システムの動作環境、構成、予算、保証、購入先の順に決めると失敗を防げます。条件を満たす構成で、セール・クーポン込みなら約12万円から、通常価格なら約17万円からが目安です。買ったら、顧客のデータを入れる前に5つの設定を済ませてください。
構成で10万円以上の差が出ることも、延長保証に申込期限があることも、注文する前にしか対処できません。機種を決める前に、あなたの士業の記事で業務の前提とおすすめの機種を確かめましょう。
働き方で選びたい方は、ステップBの表に戻ってください。
更新履歴:2026年10月 記事名の変更に合わせてリンクを更新。税理士の価格の目安、買った後の設定、職員のパソコンの準備、よくある質問を追加しました。
