お客様にとって意味のない売上ランキングにしないために
日本人は『いま売れてます』というコピーと売上ランキングが大好き
かつて糸井重里氏が、「『いま売れてます』がいちばん効くコピーなんだから、この先の広告にはなにもないよ」と言ってから、15年以上の月日が流れたけど、この『いま売れてます』というコピーは今でも多くの店頭やネットショップで見かける。
そしてこのコピーと同じぐらい良く見かけるのがランキング。以前、アットコスメの吉松徹郎社長がある記事でこんなことを言っていた。
「日本人は自分に会うものを徹底的に探すことよりも、『他の人が何を
使っているのか』がより気になる民族だ。アメリカ人はどちらかというと
検索が好きだけれども、日本人はランキングの方が好みだと思う」
私も過去に「お皿を見せずにお皿を売る方法」で「価格.comがなぜ人気があるのか?レコメンドやお客様の声がなぜ、必須だと言われているのか?それは自分で比較検討をしたくないから」と書いた。
これと同じように、上述した『いま売れてます』というコピーやランキングをよく見かけるというのは、自分で探すよりも多くの人が良いと言ってるものを買えば間違いないと考える人が多いから。
総合ランキングには興味ありません
『いま売れてます』の最も効果的な使用方法は、当たり前だけど全体の商品の中、もしくはカテゴリ別に2~4商品ぐらいに絞ること。
『いま売れてます』が10も20もついていては結局、そのショップで何が流行っているのか?何を買えばいいのかが分からない。
欲張ることなく、本当に売れているものだけをお客様に示してあげることが『いま売れてます』の最も効果的な使い方。
ではランキングは?実は色々なショップを見ていて、いつも気になっていることがある。それはお客様の商品選択に、全く役に立っていないランキングが多く存在すること。
そもそもランキングは『いま売れてます』を細分化し、売れている商品を売れている順に並べることで、お客様により分かりやすくショップの売れ筋を見せる方法。
この「分かりやすく」というのがポイントで、例えば家具を扱っているショップがあるとする。
通常、家具を買う場合、何を買うかは明確なはずだよね。なんとなく家具でも買おうかなと思いながら家具屋に行くことはまずないでしょ。
あなたは大きなテレビに買い替えをするので、そのテレビを乗せるテレビ台を買いたいと思って家具屋のショップに訪問した。
その家具屋では、トップページに全ての家具の総合売上ランキングを掲載していた。1位、食器棚。2位、パソコンデスク。3位、ソファーといった形。果たしてこのランキングは誰に向けたものなのだろう?
一つのジャンルで複数商品のみを販売しているショップならともかく、こういった多品種多商品を販売しているショップが、総合ランキングを掲載してもそこに訪問するお客様には何の役にも立たない。
もしこういったショップで売上ランキングを掲載するなら、カテゴリーやジャンル別に、それぞれ個別にランキングを作る必要がある。ランキングは、単にあった方がいいよというので作りました。では何の意味もない。
せっかく多くのお客様が参考にしたいと思っているデータなんだから、自分のショップの商品群を把握した上で、本当の意味で購入の役に立つ効果的なランキング作成をしていこう!
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