お客様にとって意味のない売上ランキングにしないために

公開日: : 最終更新日:2014/10/30 お客様の利便性 ,

お客様にとって意味のない売上ランキングにしないために

日本人は『いま売れてます』というコピーと売上ランキングが大好き

かつて糸井重里氏が、「『いま売れてます』がいちばん効くコピーなんだから、この先の広告にはなにもないよ」と言ってから、15年以上の月日が流れたけど、この『いま売れてます』というコピーは今でも多くの店頭やネットショップで見かける。

そしてこのコピーと同じぐらい良く見かけるのがランキング。以前、アットコスメの吉松徹郎社長がある記事でこんなことを言っていた。

「日本人は自分に会うものを徹底的に探すことよりも、『他の人が何を
使っているのか』がより気になる民族だ。アメリカ人はどちらかというと
検索が好きだけれども、日本人はランキングの方が好みだと思う」

私も過去に「お皿を見せずにお皿を売る方法」で「価格.comがなぜ人気があるのか?レコメンドやお客様の声がなぜ、必須だと言われているのか?それは自分で比較検討をしたくないから」と書いた。

これと同じように、上述した『いま売れてます』というコピーやランキングをよく見かけるというのは、自分で探すよりも多くの人が良いと言ってるものを買えば間違いないと考える人が多いから。

総合ランキングには興味ありません

『いま売れてます』の最も効果的な使用方法は、当たり前だけど全体の商品の中、もしくはカテゴリ別に2~4商品ぐらいに絞ること。

『いま売れてます』が10も20もついていては結局、そのショップで何が流行っているのか?何を買えばいいのかが分からない。

欲張ることなく、本当に売れているものだけをお客様に示してあげることが『いま売れてます』の最も効果的な使い方。

ではランキングは?実は色々なショップを見ていて、いつも気になっていることがある。それはお客様の商品選択に、全く役に立っていないランキングが多く存在すること。

そもそもランキングは『いま売れてます』を細分化し、売れている商品を売れている順に並べることで、お客様により分かりやすくショップの売れ筋を見せる方法。

この「分かりやすく」というのがポイントで、例えば家具を扱っているショップがあるとする。

通常、家具を買う場合、何を買うかは明確なはずだよね。なんとなく家具でも買おうかなと思いながら家具屋に行くことはまずないでしょ。

あなたは大きなテレビに買い替えをするので、そのテレビを乗せるテレビ台を買いたいと思って家具屋のショップに訪問した。

その家具屋では、トップページに全ての家具の総合売上ランキングを掲載していた。1位、食器棚。2位、パソコンデスク。3位、ソファーといった形。果たしてこのランキングは誰に向けたものなのだろう?

一つのジャンルで複数商品のみを販売しているショップならともかく、こういった多品種多商品を販売しているショップが、総合ランキングを掲載してもそこに訪問するお客様には何の役にも立たない。

もしこういったショップで売上ランキングを掲載するなら、カテゴリーやジャンル別に、それぞれ個別にランキングを作る必要がある。ランキングは、単にあった方がいいよというので作りました。では何の意味もない。

せっかく多くのお客様が参考にしたいと思っているデータなんだから、自分のショップの商品群を把握した上で、本当の意味で購入の役に立つ効果的なランキング作成をしていこう!


    

関連記事

フルオーダーとセミオーダーの共存

以前、接客販売の仕事をしていた時は、組み立て家具や旅行用品など、ある程度の説明や見積もりが必

記事を読む

ネットショップを実店舗誘導のツールとして利用する

実店舗とネットショップの二つをやるのは近隣の方以外にも販路を広げるためというのが大きな理由に

記事を読む

誰の声に耳を傾けるのかが大事

ネットショップに限らず、商売を行う上でお客様の声を聴くことは非常に大切。実際に商品やサービス

記事を読む

ネット通販と会員登録

今から10年ちょっと前に海外のネットショップ構築CMS、osCommerceでネットショップ

記事を読む

「良くある質問」に頼りすぎない

ネットショップで商品を購入する際、特に初めてのショップの場合、配送方法や送料、支払などから注

記事を読む

どんな「お客様の声」が欲しいのだろう?の一つの解答

どんな「お客様の声」が欲しいのだろう? の続き ECサイトなんかに必須の「お客様の声」

記事を読む

お客様もショップもどちらも幸せになる会員登録

ちょっと前に「ネット通販と会員登録」で購入時に会員登録を勧めるばかりにせっかくカートまでたど

記事を読む

お客様と時間の感覚を共有するということ

ショップ側にとってお客様は何十人、何百人の一人だけど、お客様にとってのショップはあなた一人だ

記事を読む

ネットショップがつまらないのは商品一覧のせい

数年前にテレビでチョロっと見ただけなのでソースもないし記憶も曖昧だけど、人は買い物をするとス

記事を読む

どんな「お客様の声」が欲しいのだろう?

ネットショップに限らず実店舗の集客用に作ったサイトなんかでも、BtoBでもCでもとにかくお客

記事を読む


    

    
昨日買ったパソコン気に入ったからもう一台買おうって人いるの?

これは販促のアイディアとかヒントとかまったく関係のないただの

中立的な立場で書いた比較記事は全く面白くない

最近、あるネットサービスに関する比較記事を良く読んでいる。そのサービス

音楽サブスクリプションサービスには検索ではなく索引が重要だと思う理由

ちょっと今更感ありありではあるけど、ここ最近で出てきたAWAとかL

Twitterで予約投稿するのに便利なHootsuite

最近、Twitterで予約投稿を人に説明する必要があって何を使おうかな

SEOを意識したコンテンツマーケティングの問題点

ここ数年、コンテンツマーケティングってネットやってると本当によく聞

→もっと見る

PAGE TOP ↑