お皿を見せずにお皿を売る方法
最近、色々な業種の競合分析をすることが増えています。特定の企業様からの御依頼の場合もあれば、講師をする際に参加されている店舗様のをやることもあります。
今回は競合分析をやっていくうちに気づいたことに関して共有します。
比較検討するものとしたくないもの
ネットで商品を購入する際の利点の一つとして比較検討が容易であるというのがあります。実店舗であれば店舗を移動する手間がかかりますがネットであれば数クリックで次から次へと店舗を移動できるからです。
しかしよくよく考えてみると私たちはどんな商品を買うときにも比較検討をしているかというとそんなことはありません。
高価なものを買うときや趣味、嗜好品を購入するときは確かにじっくり比較検討をします。何故なら高価なものなら失敗したくないですし、趣味、嗜好品なら楽しいからです。
では日用品であったり100円ショップやコンビニ、スーパーですぐ買えるものをじっくりと比較検討しますか?
値段の高い安いぐらいは比較するだろうけど何店舗も回ったり、ネットショップでも検索を繰り返して探すといったことはしないですよね。
競合分析である特定の商品を販売している複数のショップサイトを見ているとそういった日常的に購入するような商品であってもほとんどの商品を並列にして「どうぞこの中からお客様がお好きなものを選んでください!」としているショップが多いことに気づきます。
特に日常的なものを販売している場合は「これを買えばOKです」といったおススメ商品を提示することはとても重要。さらに例えば洋服であればブラウスならこれ、スカートならこれ、スーツならこれ。とジャンルごとに全ておススメ商品を分かりやすく提示するぐらいやっても良いと思います。
楽天や独自ドメインでもカートによっては商品のカテゴリをクリックした際に縦4列、横5列といった感じで表示されるのがデフォルトになっている場合においても例えば店舗のおススメ品を1つ、2つ掲載したページを挟み、これ以外の商品はこちらとリンクを貼ればお客様も安心してその商品を選択できます。
もちろん例外もありますが、人は基本的にできるだけ面倒なことはしたくありません。そして比較検討はとても面倒なことです。
価格.comがなぜ人気があるのか?レコメンドやお客様の声がなぜ必須だと言われているのか?それはできるだけ自分で比較検討をしたくないからです。
であればレコメンドやお客様の声も生かしつつ、店舗側から積極的に比較検討を要すことなく買い物ができる状況を作ってあげるべきでしょう。
商品を見せずに商品を良く見せる方法
実店舗のように実際に商品に触れることのできないネットショップでは商品画像や商品動画はそれだけで売上を左右するほど重要なポイントになります。しかしこれも様々なショップを見ているとその商品に興味を持てない画像が本当に多いことに気づきます。
例えば食器を扱っているサイトを見てもお皿や茶碗、コップなどをただ羅列してあるだけだったり、ちょっと画像が多いなと思えば上下左右から写しているだけだったりといった店舗がほとんど。
工芸品、装飾品であればそういった画像も必要かもしれないけど食器は飾っておくものではなく日常的に使用するもの。ならばそこには生活感であったり使用感が感じられなければそもそも使ってみたいなという感情が湧かないですよね。
これは食器に限った話ではないけどネットショップは実際に商品に触れることはできない代わりに画像、動画でさまざまなシチュエーションを演出できます。
そしてどんな商品であれお客様が一番見たいのはその商品が使われているところです。
のこぎりであれば何かを切っているところ。ギターであれば弾いているところ。食べ物であれば食べているところ。そして食器であれば食卓の上で料理が盛られているところ。
食器を販売しているサイトを見ていると中にはその食器に料理が盛られている画像を掲示しているところもありますがやはり食器が主役となってます。
食器を販売しているのだから食器が主役なのは当たり前ではないかと思われるかもしれませんが実はそうではないんです。例えば下記の画像で右のお皿と左のお皿と買う側として見た時にどちらに興味が湧くでしょう?
いくつもいくつも食器販売のサイトを見ていると分かるのですが料理が盛られている食器の画像を見ていると少しですが幸福な気持ちになります。しかし料理が少しだとそれほどでもないのです。
お皿だったり丼が隠れてしまうぐらい美味しそうな料理が盛られていると少し幸福な気分になるのと同時にほとんど見えていないのにも関わらずその食器がとてもいいものに感じられ、最終的にはこのお店で買いたいという強い欲求も湧いてきます。
何故なら人は楽しい、幸福な気分になれるお店で買い物をしたいからです。
競合分析は他店の特徴であったり強みを知ることで自分の店舗作りに生かしていくために行います。
ただ同業他社の競合分析だけでは実はこういったほとんどの場合、買い物は楽しいものであるという当たり前のことに気づけないこともあります。
あなたも時間があればテーマを決め、異業種のショップをたくさん見てみましょう!
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