お試し商品を比較検討させてはいけない理由
初めてのネットショップで商品を購入する際、品によってはまずはお試しセットやお試し商品を購入し、商品自体のクオリティを見たり、その店舗とのやりとりをした上で本格的に商品を購入することがあると思う。
店舗側としても、特にオリジナルの商品やあまりまだ多くの方に知られていないカテゴリの商品などを扱っている場合などは、お試し商品を用意してまずはそちらをお勧めしたりする。
ただ、このお試し商品も上手く利用しないと、かえってお客様を惑わしてしまったり、せっかく興味を持ったのに他の店舗へ行ってしまったりといったことになりかねない。
今回はお客様にとってどんなお試し商品だったら気軽に購入できるのか?逆にこんなお試し商品だったら購入に二の足を踏んでしまうのではないか?の考察。
日本初上陸のブランド品を販売するには?
例えばあなたが、日本初上陸のブランド雑貨を扱うショップの店長だとします。もちろん雑貨なのでそのもの自体は財布であったり、バッグであったりといったもので特に目新しいものではない。
ただほとんどの方が知らないブランドなので、仮にとても気に入ったとしてもすぐに購入といった形にはなりずらいため、ブランドの良さを知ってもらいたいという考えから、1,000~3,000円程度の小物入れなどのちょっとした商品をお試し商品として出品することにしたとする。
お客様は少額の小物入れなどを購入しデザイン、素材、縫製などをチェックし納得のいくものであれば、次は少し高額のものを購入してくれるでしょう。
さて、仮にお客様がそのブランドに興味を持ってお試し商品を購入しようかなとなっている段階において、店舗側が絶対にしてはいけないことがある。
それはお客様に比較検討の余地を与えること。なぜならお客様は、その時点で日本初上陸のブランド品を比較検討するための知識、基準がないから。
比較検討をさせないためにできること
比較検討の余地を与えるということはどういうことか?それはお試し商品を複数用意する。もしくは商品数は一つでも何十種類のデザイン、色などを用意してしまうこと。
例えばティファニーのアクセサリーであれば、それが新しいデザインであってもティファニーのアクセサリー自体は触ったことも見たこともあるし、入手できる情報も豊富にある。
つまり既に比較検討の必要がなく、新しいデザインが何種類あろうと何色あろうと、その中に気に入ったものがあれば迷うことなく購入に踏み切れる。
しかしあなたの店舗で販売している商品は、ほとんどの方が実物を見ることも触ることもできなければ、様々な情報を入手することもできない。
そんな状態のお客様に、何十種類ものデザインのお試し商品を出してもただ迷ってしまうだけで、場合によっては「どれを選んだらいいかわからないからいいや」と離脱の原因にもなり得る。
このブランドはまだ知られていないがとてもいいもので日本でも受けるはずだと、あなたは自信を持って輸入したのだから堂々と「これがおススメです!」という商品を一つ出せばいいよね。
ほとんどの人が比較検討なんてできない
あなたが初めての場所で何か美味しいものが食べたいと思った時は、ぐるなびや食べログを見ませんか?テレビやカメラを購入したいと思ったら価格コムや詳しい人が書いたブログを参考にしませんか?
これから購入したいと思っている商品に対して、既にものすごい知識、情報を持っている場合は別ですが、そうでない場合、私たちは比較検討などできない。なぜなら比較検討するだけの知識も基準も持っていないから。
「いやいや、食べログや価格コムを使って比較検討してるじゃん」と思うかもしれない。でもそれは既に誰かが比較検討したおススメ情報を閲覧しているだけ。単なる確認に過ぎない。
話は戻るけど、あなたの扱っているブランドは、そんな比較検討サイトにも情報がない。であれば、あなたがしっかりと情報を出した上で、お試しであればこちらをどうぞ!と自信を持ってススメてあげるべきだよね。
「たくさんの中から選べる」は既にその商品の情報、知識を持った方以外にとって何の利点もない。
特にお試し商品であれば尚のこと、お客様に選択肢を与えるのではなく、その商品の一番のプロフェッショナルであるあなたが選択しよう!
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