検索を利用した思考訓練-コンビニコーヒーがヒットした理由を考える-その1

公開日: : 最終更新日:2014/11/06 商品の価値

sevencafe

私は以前、大手検索エンジンに対して今はもうほぼ使われなくなっているカテゴリ検索のカテゴリを作り、その中に入るそれぞれのサイトの選定をしたり、また別の大手検索エンジンには特定のキーワードで検索した際に、上位に表示されるおススメサイトの選定し納品するいわゆるサーファーを仕事としていました。

今回と次回はその時に良質なサイトを見つけ出すために使っていた方法を応用し、検索エンジンを利用した思考訓練をご紹介します(尚、検索結果は2013年12月11、12日、Googleのものです。またこれは正解を導きだすというよりは検索を駆使し仮説を立ての繰り返しで自分なりの答えを探す方法です)。

コンビニコーヒーがヒットした理由を考える

昨年、月刊情報誌「日経トレンディ」が選ぶ「2013年ヒット商品ベスト30」の第1位となったコンビニコーヒー。特にセブンイレブンによるセブンカフェは9月末(2013年)までの累計販売数で2億杯を達成し、年間販売目標は4億5000万杯を見込むほどのヒットになっているそうです。

そこでこのコンビニコーヒーがヒットした理由を様々な角度から検証し仮説を立てるために検索エンジンでどう調べていくかを順にお話ししていきます。

 1.まずは「コンビニコーヒー」で調べてみる

最初のキーワードは1語で「コンビニコーヒー」です。尚、ウェブ検索ではなくニュース検索で調べた方がより最新の情報が出ますが、まずはより様々な結果が出るウェブ検索で見ていきます。

「コンビニコーヒー」での検索結果上位はNAVERまとめやYahooニュース、2ちゃんまとめブログなどが並んでいます。

同じタイトルが複数並んでいる2ちゃんまとめはどれも日経新聞電子版の記事を元になっています。その中の一つ、

なぜコンビニコーヒーは成功したのか? 国内のコーヒー消費量過去最高へ-atch@2ちゃんねる

見てみると投稿の中に

缶コーヒー:不味い
コーヒーチェーン:高い

というのがありました。要するにコンビニコーヒーはこの中間、安くて美味いを狙ったのではという意見です。

では缶コーヒーの売上はどうなっているのでしょう?

 2.コンビニコーヒーと缶コーヒー

「コンビニコーヒー 缶コーヒー」で検索してみます。MSN産経ニュースの記事のタイトルがそのものずばり

ダイドーが業績予想を下方修正 コンビニコーヒー人気で缶コーヒー苦戦-MSN産経ニュース
 
なためこれを見てみます。

記事中で業績予想を下方修正したのは

コンビニの店頭で販売している入れたてコーヒーに顧客を奪われ、
主力の缶コーヒーの売り上げが落ち込んでいるため。

とはっきり記載されています。

しかしコンビニでは缶コーヒーも主力商品の一つです。そしてコンビニコーヒーの方がどう考えても缶コーヒーより原価も高く手間もかかりコンビニにとってはあまり旨みはなさそうなはずなのになぜ、積極的にコンビニコーヒーを拡販していくのでしょう?

 *真偽のほどは定かではありませんがこんな記事もありました。
 【画像】 セブンイレブンのコーヒー 原価が高すぎると話題に-痛いニュース

 3.コンビニコーヒーの競合を探る

ここでコンビニがコーヒーに力を入れる理由として2つの仮説を立ててみます。

1つ目はそれまでコンビニでコーヒーを購入しなかった層を取り込むため。そして2つ目はコーヒー以外のついで買いまでを計算に入れているためです。

まずは1つ目の仮説から調べていきます。それまでコンビニでコーヒーを購入しなかった層。つまり缶コーヒーを買わない層です。

コンビニで缶コーヒーを買わない理由は

 ・美味しいコーヒーを飲みたい。
 ・ゆったりとくつろいだ雰囲気で楽しみたい。

この2つが主な理由だと考えられます。

そしてこの2つの希望を満たすコーヒーとはドトール、スターバックスやコメダなどのコーヒー専門店。またゆっくり座ってという意味ではマクドナルドなども含まれるでしょう。

コンビニコーヒーが人気となってこれらの店舗の売上は変わっているのでしょうか?まずはマクドナルドの月次セールスリポートを検索します。

2013年を見ると客単価は多少上がっていますが売上、客数は前半をピークに落ち続けています。

次にスターバックスですが「コンビニコーヒースターバックス」で検索すると昨年7月のビジネスジャーナルで、コンビニやファミレス、マックなどの異業種カフェがスタバの牙城を崩さんと勢いを増しているという記事があります。

スタバ、急成長に曲がり角か…外食、コンビニ、コメダら競合台頭で過熱する喫茶市場-ビジネスジャーナル

これだけでコンビニコーヒーによって客数、売上が落ちていると断定はできません。しかし上述した美味しいコーヒーを飲みたい。ゆったりとくつろいだ雰囲気で楽しみたい。の2つのうち、美味しいコーヒーを飲みたいと思っている層をある程度、奪えているのではないかと考えられます。

例えば今までは通勤の際にスタバやマックでコーヒーを買っていたがコンビニで安くて美味しいコーヒーが買えるようになったのでそちらへ流れていった人はコンビニコーヒーの売上数の急増から見ても少なくはないでしょう。

さてこの「美味しさ」ですが味の好みは人それぞれですから、一概にスタバやマックよりも美味しいと決めつけるのも問題です。

次はこの美味しさについて検索してみましょう。というところで続きは次回


    

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