第1回・第2回では、PowerPointの「時短術」と「構成術」を紹介しました。
しかし、AIの進化は「資料作成そのもの」の常識を変えつつあります。
第3回は、ChatGPTのようなAIとの協業テクニックと、PowerPoint以外の有力な選択肢である「Canva」や「Googleスライド」が搭載する最新AI機能まで、まとめて解説します。
1. なぜ今、士業が「AI」と「PowerPoint以外の選択肢」を検討すべきなのか?
AIの活用には、大きなメリットが期待できます。
たとえば、「構成案の作成」や「デザインの調整」をAIに任せることで、士業の皆様は「専門的な内容の精査」という本質的な業務に集中しやすくなります。
また、PowerPoint以外のツールにも目を向ける価値があります。
- Canva: デザイン知識がなくても、洗練されたテンプレートで「見栄えの良い」資料が作れる点が強みです。
- Googleスライド: クラウド上で「顧客」や「他の士業」とリアルタイムで共同編集できる利便性を持ちます。
2. 【相談役 AI】ChatGPTでプレゼンの「骨子」と「原稿」を作る
ChatGPTは、資料作成の「相談相手」として非常に優秀です。
- 活用シーン1:セミナーの「構成案(アジェンダ)」作成(プロンプト例)「税理士向けに『インボイス制度の最新動向』セミナーを90分で行います。聴衆が満足する構成案を作成してください」
- 活用シーン2:専門用語の「平易化」(プロンプト例)「”みなし配当”について、法律知識ゼロの経営者にも分かりやすく説明する文章を作成してください」
- 活用シーン3:スライド原稿の要約・校正既存の文章を読み込ませ、より簡潔な表現に修正したり、誤字脱字をチェックさせたりすることも可能です。
3. 【PowerPoint連携 AI】Microsoft Copilot
Microsoft 365のライセンス(Copilot for Microsoft 365など、別途有償プランが必要な場合があります)をお持ちの場合、PowerPoint上でAIの支援を受けられます。
- 活用シーン1:Word文書からスライドを自動生成事務所で作成した「就業規則改定のレポート(Word)」などを読み込ませ、顧客説明用のスライド(10枚程度)を自動で生成させるといった使い方が想定されます。
- 活用シーン2:長いプレゼン資料の「要約スライド」作成既存のPowerPointファイル全体の内容をAIが理解し、重要なポイントをまとめた要約スライドを自動で挿入できます。
- 活用シーン3:デザインの自動調整・画像生成指示を出すだけで、スライドに合った画像(AI生成含む)を挿入したり、デザインを調整したりする機能も備えています。
4. 【デザイン AI】Canva (Magic Design機能)
Canvaは、デザインの「見栄え」に課題を感じている場合に有力な選択肢です。
- Canvaの強み: 豊富なテンプレート、デザイン知識が不要な操作性、セミナー告知用の画像やSNS発信用の画像作成にも適しています。
- AI機能 (Magic Design):キーワード(例:「相続対策セミナー」)を入力するだけで、デザインされたスライド一式を瞬時に自動生成します。既存資料のデザインをAIが自動で修正・改善する機能も持ちます。
- 士業の活用シーン: 見栄えの良いセミナー告知画像の作成、洗練されたデザインの顧客提案書など。
5. 【共同編集 AI】Googleスライド (Gemini in Google Workspace)
Googleスライドは、他者との「共同編集」に強みを持つツールです。
- Googleスライドの強み: クラウドで完結し、顧客や他士業とリアルタイムで同じファイルを編集できる点が特徴です。基本機能は無料で利用可能です。
- AI機能 (Gemini):Gemini(有償のWorkspaceプランやアドオンが必要な場合があります)を利用すると、スライドの自動生成、内容の要約、スライド用画像のAIによる生成などが可能になります。
- 士業の活用シーン: 顧客とリアルタイムで修正内容を確認しながら進める提案書、所内での共同作業など。
6.【比較】結局、どのAI/ツールをどう使い分ける?
どのツールが最適かは、目的によって異なります。
| ツール | 得意なこと | 共同編集 | コスト(AI機能) |
| PowerPoint + Copilot | 既存資料(Word等)のAI化、社内利用 | △(デスクトップ) | 別途有償 |
| Canva + Magic Design | 新規デザイン、見栄えの良さ、SNS連携 | 〇(クラウド) | 一部無料/有償 |
| Googleスライド + Gemini | クラウドでの共同編集、リアルタイム性 | ◎(クラウド) | 別途有償 |
| ChatGPT | 構成案、原稿作成(スライド作成は不可) | ‐ | 一部無料/有償 |
士業のタイプ別のおすすめは、次のように整理できるでしょう。
- Microsoft 365を使いこなしている方: Copilot と ChatGPT の併用
- デザインが苦手、SNS発信もしたい方: Canva
- 他事務所や顧客との共同作業が多い方: Googleスライド
7. まとめ
AIは、資料作成における「下書き」と「デザイン」を任せられるパートナーになり得ます。
PowerPointに固執せず、CanvaやGoogleスライドといったツールも目的に合わせて使い分ける視点が、今後の業務効率化において重要になるでしょう。
次回は「第4回:最先端AI(Sora/Suno/GenSpark)編」として、さらに未来のプレゼン術を紹介します。

