リアルタイムで想いを伝えることの重要さ

公開日: : 最終更新日:2015/10/17 商品とストーリー, 想いの伝え方 , ,

電話によって特定の一人にリアルタイムで想いを伝えることが可能になった。そしてネットによってリアルタイムで同時に何百、何千の人に思いを伝えられるようになった。

何の誇張や装飾もなく、今、目の前で起こったこと、感じたことをありのままに伝える。多少、分かりづらくとも伝えようとしている人の興奮や感情はリアルタイムで聞くのが一番、伝わる。

リアルタイムで生々しさを伝える

先日、スガシカオさんのインタビュー記事の中にこんなのがあった。

―「メジャーの方法論についていけなくなった」っていうのは、どういったことだったのでしょうか?

スガ:メジャーのパッケージ感がすごく嫌だったんですよ。自分が心血注いで作った曲って、生々しい形で人に伝わってほしいんですけど、僕の手を離れて、いろんなところをめぐって、その間にジャケットとかPVができて、商品になって僕のところに戻ってくる頃には、生々しさがなくなっちゃう感じがしたんですよね。その感じって、リスナーにも届いちゃうと思うんです。歌詞のメッセージ性にしても、「もっと生々しく響かないと意味ないじゃん」って思ったんですよね。

―実際インディーで活動を始めたことによって、生々しさを感じることができました?

スガ:めちゃめちゃ生々しかったですね。「なぜ俺はいまこの歌詞を書かなきゃならなかったのか?」っていうところまで、リスナーにちゃんと聴いてもらえたし、曲ができあがって1週間後に、「先週Twitterで『できた!』って言った曲です」って言って配信とかもしてたんですよ。「ホントにスガシカオが作ったんだ」とか、「夜中の1時に完成したんだ」ってわかると、より曲に説得力が出るというか。シンガーソングライターって、そういうものだと思うんですよ。「この人がなぜこの曲を書く必要があったのか?」というところまで伝わらないと、曲が伝わりきらない。ジャケットも自分でデザインして、録音も自分でやって、ホントに何から何まで自分でやってるところを、リスナーに見てもらったんです。

スガシカオが語る、事務所からの独立とメジャー復帰の真意-CINRA.net

時間をかけて多くの人の手が加わってパッケージされた商品は、確かに洗練されてる。お客様にとっても分かりやすいものになっている。

でも分かりやすくなった分、ごつごつしてたり生々しい部分はなくなってしまう。もしかしたら作り手が一番、伝えたかったことがごっそり抜け落ちてしまっているかもしれない。見た目も使い勝手も悪くはないけど他でも買える、どこにでもある商品になってしまっている可能性もある。

もちろん、商品やサービスによって色々な違いはある。でもその商品を作った理由。売ろうと思った理由。その初期衝動は忘れてはいけない。ネットのいいところってその部分もちゃんと伝えていけるとこなんじゃないかな。

リアルタイムで作られていくストーリー

miraiseisakujyo

兵庫県三田市に未来製作所という洋菓子店がある。ここは小学6年生までしか入れないという決まりで、大人は立ち入り禁止になっている。

子供だけが入り、子供だけで店員さんとコミュニケーションを取る。そして買い物が終わったら外で待っている大人にそこがどんな場所で、何があって、何を買ったかを伝える。

子供は体験したことを家に帰ってから話すのではなく、リアルタイムですぐに話せる。整理されてないし、所々意味不明なことを言うかもしれないけど、すぐ話すことでその体験がより深く記憶に残る。

そして親も興奮して楽しそうに話す子供を見ることで、その生々しい体験をリアルタイムで共有できる。このリアルタイムで共有するというのがとても重要。

体験した直後に伝えることで、生々しい興奮や感動といったストーリー(付加価値)が加わる。それこそが、その場所、その商品のオリジナルのストーリーになる。聞く側にとってはそれがそのまま思い入れとなって、その後、時間を経て整理されたとしても他とは違うオンリーワンのものになる。

ちゃんと全てが出来上がってから伝えよう、分かりやすくしてから伝えようというのはもちろん大事。でもそれ以上に多少、分かりづらくても整理できてなくても、生々しい初期衝動もちゃんと伝えていくことがお客様との大切なコミュニケーションにもなるし、ひいては独自性に繋がっていくんだよね。


    

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