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顧客情報を守るセキュリティ対策ガイド|士業のための“当たり前”を今すぐ整える

信用を失わないための、士業の“当たり前”を今すぐ整える

士業の皆さんが日々の業務で取り扱う情報は、一つひとつが非常に重要です。クライアントの個人情報、財務情報、労務情報、秘密事項など、その多くが外部に漏れてはならない機密性の高い情報。これらの情報を安全に管理することは、士業にとって「当たり前」の責任であり、皆さんの信用そのものと言えるでしょう。

しかし、意図しない情報漏洩やサイバー攻撃のリスクは常に存在します。「うちは大丈夫だろう」という油断は禁物です。このガイドでは、士業の皆さんが大切な顧客情報を守り、揺るぎない信用を維持するために、今すぐできるセキュリティ対策の基本を分かりやすく解説します。


なぜ士業にとってセキュリティが命綱なのか?

士業の皆さんにとって、セキュリティ対策は業務を続ける上で欠かせない「命綱」です。その理由を具体的に見ていきましょう。

士業が扱う情報は「高リスクな個人情報」である

万が一、管理している顧客情報が漏洩してしまった場合、その影響は甚大です。

顧客からの信頼失墜
大切な情報を守れなかった専門家として、信頼を失い、顧問契約の解除につながる可能性があります

損害賠償請求
情報漏洩によってクライアントに損害を与えたとして、多額の損害賠償を請求されるリスクがあります

行政処分・刑事罰
個人情報保護法などの法令違反として、業務停止命令や罰金などの厳しい処分を受ける可能性があります

風評被害
悪い噂が広まり、新規顧客の獲得が困難になるなど、廃業に追い込まれるケースもゼロではありません

一度失った信用を取り戻すことは、非常に困難です。情報漏洩は、士業としてのキャリアを終わらせかねない「一発アウト」になり得るのです。

法令だけでなく“職業倫理”として求められる水準とは?

士業には、個人情報保護法などの法令遵守はもちろんのこと、各士業法や所属する士業会が定める厳しい職業倫理が存在します。

これらの倫理規定では、職務上知り得た秘密を守ることが強く求められています。単に法律を守るだけでなく、「専門家として、顧客の情報をあらゆる危険から守る」という高い倫理観に基づいたセキュリティ対策の水準が求められているのです。

これは、士業という信頼の上に成り立つ仕事の根幹に関わる問題と言えます。


実務でよくある「セキュリティの落とし穴」5選とセルフチェック

日々の業務の中で、無意識のうちにセキュリティリスクを高めてしまっていることがあります。ここでは、士業の皆さんが特に陥りやすい「落とし穴」を5つご紹介します。

1.無対策のWi-Fiに接続している

カフェやホテル、公共施設などの無料Wi-Fiは、通信が暗号化されていない場合が多く、悪意のある第三者に通信内容を盗み見される危険性があります。業務用のPCやスマートフォンで機密情報を扱う場合は、特に注意が必要です。

【あなたは大丈夫?チェックリスト】

  • 事務所のWi-Fiは、パスワードを設定し、通信が暗号化されていますか?
  • 外出先で無料Wi-Fiを利用する際、VPN(後述)を使用していますか?

2.フリーのセキュリティソフトで済ませている

無料のセキュリティソフトでも最低限の対策は可能ですが、最新の脅威への対応やサポート体制、ビジネスに必要な詳細設定の機能などが有料版に比べて限定的な場合があります。士業の業務には、より信頼性の高い有料版の利用を強く推奨します。

【あなたは大丈夫?チェックリスト】

  • 有料のセキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に更新していますか?
  • PCだけでなく、スマートフォンやタブレットにもセキュリティソフトを入れていますか?

3.同じパスワードを複数で使い回している

税務申告システム、会計ソフト、クラウドストレージ、メール、銀行口座など、様々なサービスで同じパスワードを使い回していると、どこか一つからパスワードが漏洩した場合、他の全てのサービスに不正アクセスされるリスクが高まります。

【あなたは大丈夫?チェックリスト】

  • すべてのサービスで、異なる複雑なパスワードを設定していますか?
  • パスワード管理ツールを活用していますか?

4.バックアップが自動化されていない

パソコンの故障やランサムウェア感染などでデータが失われた際、バックアップがないと業務の継続が不可能になります。手動でのバックアップは忘れがちであり、自動化されていないと最新の状態が保存されていないリスクがあります。

【あなたは大丈夫?チェックリスト】

  • 顧客データや業務関連データのバックアップを自動的に取る仕組みがありますか?
  • バックアップデータは、PCとは別の場所に保存されていますか?(クラウドストレージ、外付けHDDなど)

5.自宅・事務所の境界が曖昧な働き方

自宅PCで事務所のデータにアクセスしたり、業務用のスマホで私的な利用と区別なく情報を取り扱ったりする場合、適切なセキュリティ設定や管理ルールがないと、情報漏洩やウイルス感染のリスクが高まります。

【あなたは大丈夫?チェックリスト】

  • 業務で使用するPCやデバイスは、プライベート用と明確に分けていますか?
  • リモートワークを行う際のセキュリティルールが明確に決められていますか?

士業に必要な7つのセキュリティ対策

これらの落とし穴を回避し、顧客情報をしっかりと守るために、士業の皆さんにぜひ実践していただきたい7つの基本的なセキュリティ対策をご紹介します。

対策内容士業での活用例・ポイントなぜ必要?/具体的なアクション
1.有料ウイルス対策ソフトの導入事務所内の全てのPCに導入し、添付ファイルからの感染を防止常に進化するマルウェア(ウイルスなど悪意のあるソフトウェア)からPCやデータを守るため。無料版より検出率や機能、サポートが充実した有料版を選び、定義ファイルを常に最新の状態に保ちましょう。年間数千円から利用できます
2.VPN(Virtual Private Network)の導入公共Wi-Fi利用時の安全確保、カフェ・出張先での作業時。リモートワークや外出が多い場合に必須暗号化されていないフリーWi-Fiなどでも、安全にインターネット通信を行うため。VPN接続をすることで、通信内容の盗聴や改ざんを防ぎます。 特に外出先で業務を行う機会が多い士業の方に重要です。月額数百円程度で利用できるサービスも多いです
3.強固なパスワード管理パスワード管理ソフトの活用、顧客データ・会計ソフトの保護。推測されにくい複雑なパスワードを、サービスごとに使い分けるパスワードの使い回しによるリスクを回避するため。パスワード管理ツールを導入すると、複雑なパスワードを安全に生成・管理でき、サービスごとに使い分けが容易になります。辞書に載っている単語や簡単な文字列は避け、英数字記号を組み合わせた10文字以上のものを設定しましょう
4.自動バックアップの仕組み構築定期的&自動化の体制構築、誤削除や故障時の復旧保険。クラウドストレージや外付けHDDを組み合わせるPCの故障、誤操作による削除、ランサムウェア感染などでデータが失われた場合に、業務を復旧させるため。毎日、あるいはリアルタイムで自動的にバックアップが実行される仕組みを構築します。バックアップ先は物理的にPCと異なる場所(クラウドストレージ、外付けHDDなど)を選びましょう
5.デバイス紛失対策ノートPC・スマホの安全策、盗難時の遠隔ロックやデータ消去。強固なパスワード設定と画面ロック必須事務所外への持ち出しが多いノートPCやスマートフォンを紛失・盗難した場合の情報漏洩を防ぐため。OSの機能やMDM(モバイルデバイス管理)ツールを活用し、遠隔での画面ロックやデータ消去が可能な設定にしておきます。パスワードだけでなく、生体認証(指紋・顔認証)も活用しましょう
6.クラウドストレージの安全な設定権限設定・共有ルールの徹底、Google DriveやDropboxの正しい使い方。ファイル共有時は公開範囲に厳重注意データを安全に保管・共有するため。利用するクラウドストレージサービスが十分なセキュリティ対策を行っているか確認し、ファイルやフォルダの共有設定権限を厳密に管理します。安易な公開設定は情報漏洩に直結します。共有する際は、必ずパスワードを設定し、期間限定で共有するなどの工夫も有効です
7.二要素認証(2FA)の有効化ID/パスワード+αのロック強化、会計・契約関連のクラウド系に導入推奨。ログイン時のセキュリティを格段に向上パスワードが漏洩した場合でも、不正ログインを防ぐため。IDとパスワードに加え、スマートフォンアプリでの認証コード入力や生体認証など、別の要素を組み合わせて認証する設定(二段階認証、多要素認証とも呼ばれます)を必ず有効にしましょう。多くのオンラインサービスで無料で設定できます

▶セキュリティソフトについて詳しくはコチラをご覧ください
士業の業務用パソコンに必須!情報漏洩から顧客を守るセキュリティソフトの選び方と対策


セキュリティ事故の“もしも”と対応マニュアル(簡易版)

どれだけ対策をしていても、セキュリティ事故のリスクをゼロにすることはできません。
万が一の事態に冷静に対応できるよう、日ごろから備えをしておくことが重要です。

情報漏洩が起きたときの初動:やるべき3つのこと

もし情報漏洩の疑いが発生したら、迅速な初動対応が被害の拡大を防ぎ、信用の維持につながります。まずは以下の3つを冷静に行ってください。

1.現状の把握と被害範囲の特定
何が、いつ、どこで、どのように漏洩した可能性があるのか、事実関係を正確に把握します。関与した可能性のあるシステムや関係者を特定しましょう
2.原因の特定と応急措置
漏洩の原因(ウイルス感染、不正アクセス、設定ミス、紛失など)を特定し、それ以上の情報漏洩を防ぐための応急措置(ネットワークからの隔離、パスワード変更、サービス停止など)を行います
3.関係者への連絡
3-1.顧客への連絡
事実関係、原因、対応策、影響などを正直かつ迅速に、丁寧にご説   明します。謝罪とともに、今後の信頼回復に向けた真摯な姿勢を示すことが重要です
3-2.関係機関への届出・相談
個人情報保護委員会への報告(義務)、警察への相談、所属する士業会への報告など、関係法令や団体の規定に従って必要な手続きを行います

日ごろから整備しておくべき「万一マニュアル」

非常時に慌てないために、以下の項目をまとめた簡易的な「万一マニュアル」を事務所内で共有しておくことをおすすめします。


「うちは関係ない」は通用しない|士業別セキュリティの注意点

「私の業務はシンプルだから大丈夫」「うちの事務所は小さいから狙われない」と思っていませんか?どんな士業であっても、顧客情報を扱う以上、セキュリティ対策は必須です。ここでは、士業の種類ごとの特に注意すべき点に触れます。

税理士・会計士

マイナンバーや財務情報、給与情報といった機密性の高い情報を一元的に管理するリスクがあります。クラウド会計ソフトや税務申告システムの利用時のセキュリティ設定や、税理士法で定められた秘密保持義務を意識した情報管理が必要です。特に、会計ソフトのログインパスワードは使い回しせず、二要素認証を必ず有効にしましょう。

司法書士・行政書士

権利関係や許認可に関する書類など、重要な個人情報を扱います。紙媒体のデジタル化(スキャン)や、これらのデータをクラウドなどで保管・共有する際の情報管理方法、外部との安全なデータ受け渡し方法に注意が必要です。例えば、PDFにパスワードをかける、共有リンクの有効期限を設定するなど、細かな配慮が求められます。

弁護士

クライアントとのやり取り、係争に関する情報、通話記録など、極めて高い秘匿性が求められる情報を扱います。通信傍受のリスク対策、セキュアなコミュニケーションツールの選定、事務所内のデータ管理体制に細心の注意が必要です。USBメモリなどの外部記憶媒体の使用ルールも厳格に定めましょう。

社労士

従業員の個人情報、給与、労働時間、社会保険情報など、非常にデリケートな情報を扱います。給与計算ソフトやクラウド労務管理システムのセキュリティ、マイナンバーを含む情報の厳重な管理、事務所内での情報共有ルール徹底が求められます。特に、マイナンバーを扱うPCはネットワークから隔離するなどの対策も検討しましょう。


よくある質問Q&A|セキュリティ対策編

士業の皆さんからよく寄せられるセキュリティ対策に関する疑問にお答えします。

Q1:無料のセキュリティソフトじゃだめなの?

A1:無料ソフトでも最低限の対策は可能ですが、ビジネスで機密情報を扱う士業の方には、より機能が充実し、サポート体制もしっかりしている有料のセキュリティソフトを強くおすすめします。 最新の複雑な脅威に対応し、未知のウイルスへの対策も強化されています。失う信用の大きさを考えれば、月数百円〜千円程度の費用は、必要不可欠な投資と言えるでしょう。

Q2:DropboxやGoogle Driveのようなクラウドストレージは安全?

A2:主要なクラウドストレージサービスは、高いセキュリティ対策を講じていますが、利用者の設定ミス(公開設定の間違いなど)や、パスワード管理の不備による情報漏洩リスクがあります。サービス自体のセキュリティに加え、アクセス権限設定を厳密に行うこと、二要素認証を必ず有効にすること、パスワードを使い回さないことが重要です。共有するファイルの機密性によっては、利用を避けるべきケースもあります。

Q3:うちは紙中心だからデジタル対策は不要?

A3:たとえ業務の中心が紙媒体であっても、顧客の連絡先や簡単な情報、請求書作成など、デジタルデータとしてパソコンやスマートフォンで管理している情報は必ず存在します。 これらの情報に対する対策は必須です。また、スキャンしてデジタル化する情報があれば、その管理方法も重要になります。「紙中心だから」と油断せず、デジタル化している情報のリスクを把握し、最低限の対策は行いましょう。

Q4:家族と共有のPCはNG?どこまで分けるべき?

A4:家族と共有のPCでの業務は、セキュリティリスクが非常に高いです。ご家族が使用する際に、意図せず業務データが削除されたり、ウイルスに感染したり、不適切なサイトにアクセスして情報が漏洩したりする可能性があります。士業の業務で扱うPCと、ご家族が利用するPCは完全に分けることを強く推奨します。 最低でもユーザーアカウントを分け、業務データには強力なパスワードやアクセス制限をかけるべきですが、理想は業務専用のPCを用意することです。

▶その他のQ&Aについては、「士業パソコン選びFAQ集」をご覧ください


まとめ|今日から見直せる3つのこと

セキュリティ対策は、「知っている」だけでは意味がありません。「やっている」ことが重要です。このガイドを通じて、士業の皆さんが今日から見直せる3つのことを最後に改めてお伝えします。

1.まずは足元を見直す:「落とし穴」を塞ぐことから始める
高価なシステム導入の前に、無料Wi-Fiの利用、パスワードの使い回し、バックアップの不備など、日々の業務に潜む基本的なセキュリティリスクを解消しましょう。本記事の「士業が避けるべき「危険なPC」の特徴とは?あなたの信用を守るための選び方」を参考に、ご自身の状況をチェックしてみてください。

2.高価なツールよりも、まずは“習慣”と“仕組み”
セキュリティ対策のポイントは、最新のツール導入だけではありません。安全なパスワードを定期的に変更する習慣、自動バックアップや二要素認証を有効にする仕組み作りが何よりも重要です。費用をかけなくてもできる対策から始め、継続していくことが大切です。

3.顧客の信用は、あなたのITリテラシーにかかっている
顧客情報は、クライアントから預かった大切な信頼の証です。この情報を守るためのITリテラシーを高めることは、士業としての責任と言えます。本記事を参考に、ご自身のセキュリティ対策レベルを向上させ、自信を持って日々の業務に取り組んでください。

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