士業の業務効率を高める無線LAN・ネットワーク機器の選び方
ノートPCの機動力を最大限に引き出すネットワーク環境
士業の皆様は、場所を選ばずに業務を遂行できるノートPCを日々の業務に活用されていることと思います。しかし、ノートPCの性能を最大限に活かすには、安定したネットワーク環境が不可欠です。有線接続が難しい場面が多いからこそ、無線LAN（Wi-Fi）の利用が中心となるでしょう。
事務所や自宅、外出先など、どこでも快適に業務を進めるためには、適切な無線LANルーターやネットワーク機器の選択が重要です。これらの機器を適切に導入することで、データの送受信がスムーズになり、オンライン会議が途切れることなく進行し、クラウドサービスへのアクセスも安定します。結果として、業務の効率が飛躍的に向上し、ストレスなく作業に集中できるようになります。
無線LANルーターの選び方：速度と安定性を重視
無線LANルーターは、ネットワーク環境の要となる機器です。士業の業務において重要なのは、通信速度と安定性です。
Wi-Fi規格:
現在主流の規格は「Wi-Fi 6（IEEE 802.11ax）」です。旧規格に比べて通信速度が速く、複数台のデバイスを接続しても安定しやすい特徴があります。今後を考えると、最新の規格に対応したルーターを選ぶことをおすすめします
周波数帯:
無線LANには、主に「2.4GHz帯」と「5GHz帯」があります
・2.4GHz帯は壁などの障害物に強く、遠くまで電波が届きやすい特性があります
・5GHz帯は通信速度が速く、他の家電製品との電波干渉を受けにくいメリットがあります。それぞれの特性を理解し、環境に応じて使い分けることで、より快適な通信が可能です
アンテナ数とMIMO:
アンテナの数が多いほど、同時通信できるストリーム数（MIMO）が増え、複数デバイスでの通信が安定します。広い事務所や多人数で利用する場合は、アンテナ数が多いモデルを検討すると良いでしょう
セキュリティ機能:
不正アクセスから情報を守るために、WPA3などの最新の暗号化方式に対応しているか、またゲストWi-Fi機能など、安全なネットワーク運用をサポートする機能があるかを確認することも重要です
その他のネットワーク機器：より快適な環境構築のために
無線LANルーターだけでなく、以下のようなネットワーク機器も、士業の皆様の業務効率向上に貢献します。
Wi-Fi中継器（メッシュWi-Fi）:
事務所が広く、ルーターからの電波が届きにくい場所がある場合は、Wi-Fi中継器やメッシュWi-Fiシステムの導入を検討してください。家や事務所全体に安定した電波を行き渡らせることが可能となり、場所を選ばずに快適に作業できます。特にメッシュWi-Fiは、複数の機器が連携して広い範囲をカバーするため、電波の途切れが少なくスムーズな接続を実現します
ネットワークハブ・スイッチ:
複数の有線LAN機器を接続したい場合や、安定した高速通信が必要な固定のPCがある場合などに利用します。会議室のPCや共有プリンターなどを安定して接続する際に役立つでしょう
NAS（ネットワーク接続ストレージ）:
事務所内の複数のPCから共有したいファイルや、大容量のバックアップデータを保管したい場合に便利です。NASを導入することで、セキュアな環境でデータを一元管理し、業務効率を高めることが可能です
ポケットWi-Fi（モバイルルーター）：外出先での強力な味方
事務所だけでなく、外出先や出張先でノートPCを使うことが多い士業の方にとって、ポケットWi-Fi（モバイルルーター）は非常に有効なツールです。これは、携帯電話会社のデータ通信回線を利用して、Wi-Fi環境を構築する持ち運び可能なルーターを指します。
メリット:
公衆Wi-Fiスポットを探す手間がなく、どこでも安定したインターネット接続が可能です。カフェや移動中の新幹線内など、場所を選ばずに業務を進められるため、急な調べ物や資料のアップロード・ダウンロードもスムーズに行えます
選び方:
契約するデータ容量、通信速度、バッテリー持続時間、そして対応する回線（5G対応かなど）が主な検討ポイントです
セキュリティの注意点:
ポケットWi-Fiは個人で管理するため、公衆Wi-Fiに比べてセキュリティリスクは低いですが、油断は禁物です。
・強力なパスワード設定: 初期設定のパスワードから、推測されにくい複雑なパスワードに変更しましょう
・暗号化方式の確認: WPA2やWPA3といった最新の暗号化方式が設定されていることを確認してください
・不要な機能の無効化: WPS機能など、セキュリティリスクになりうる機能は無効にしておくことが賢明です
適切な無線LAN・ネットワーク機器を選ぶことは、士業の皆様のノートPCを活用した業務を、よりスムーズで安全なものに変える第一歩です。ご自身の業務スタイルや環境に合わせて、最適なネットワーク環境を構築しましょう。