生成AIを使い始めたけど「思った答えが返ってこない」と感じていませんか?
原因のほとんどはプロンプト(指示文)の書き方です。AIは優秀な新人アシスタントと同じで、曖昧な指示には曖昧な答えしか返しません。逆に、前提・論点・出力形式を明確に伝えれば、驚くほど精度の高い仕事をしてくれます。
本記事では、士業実務で今日からコピペで使えるプロンプト15本を厳選して紹介します。契約書レビュー、税務調査対応、議事録チェック、許認可申請など、4士業(弁護士・税理士・司法書士・行政書士)に共通して使える汎用プロンプトに絞りました。
【重要】本記事のプロンプトを使う前に
- 生成AIの出力には誤りが含まれます。条文・判例・税制情報は必ず一次ソースで確認してください
- 顧客の氏名・事件番号・マイナンバー等の機密情報は絶対に入力しないでください
- AIの出力は「たたき台」です。最終判断は必ず専門家としてご自身で行ってください
本文に入る前に:「ハルシネーション」という言葉について
本記事ではハルシネーションという言葉が何度か出てきます。これは「AIが事実ではない情報を、あたかも正しいかのように自信満々に出力する現象」のことです。
具体例を挙げると、存在しない判例番号を生成したり、実在しない条文を引用したり、誤った税率を断定的に答えたりします。AIが「知らない」と言わずに、それらしい嘘をつくのがこの現象の怖いところです。
士業にとっては最大のリスクなので、本記事では一次ソース確認の重要性を繰り返し強調しています。プロンプトの中でも「不確実な点は『要確認』と明記する」といった工夫を入れ、ハルシネーションの発生を抑える設計にしています。
第1章 良いプロンプトの5つのコツ
プロンプト本体の前に、書き方の原則を押さえておきましょう。この5つを意識するだけでAIの出力精度は大きく変わります。
1. 前提を伝える
業種・事業規模・取引内容など、回答に影響する情報を先に渡します。「中小企業向けの業務委託契約」「個人事業主の青色申告」のように、具体的な前提があればAIは的確な回答を返せます。前提がないと、AIは一般論しか答えられません。
2. 論点を指定する
「どの観点から見てほしいか」を明示します。「リスクの観点から」「税務上の問題点を中心に」「依頼者に不利な条項を中心に」のように視点を絞ることで、回答の焦点が定まります。論点の指定がないと、AIは網羅的な総論で終わりがちです。
3. 出力形式を指定する
箇条書き・表形式・章立て文章など、欲しいアウトプットの形を指示します。「リスクを表形式で、条項番号・リスク内容・修正案の3列で」のように具体的に伝えると、そのまま業務に使える形で返ってきます。
4. 検証事項を求める
「不確実な点は『要確認事項』として末尾に列挙してください」と添えます。AIは自信がなくても断定的に答える傾向があるため、検証すべきポイントを明示させることでハルシネーションのリスクを減らせます。
5. 具体例・禁止事項を添える
「推測は避け、不明な点は『不明』と明記してください」「一般論ではなく、前提に即した具体的な指摘をしてください」のように、してほしくないことを明示します。AIは指示されないと無難な一般論に逃げがちなので、禁止事項を添えるだけで回答の質が変わります。
第2章 プロンプト15選
カテゴリ別に4グループ・計15本を紹介します。すべてコピペして使える形式で書かれています。
【文書作成・レビュー系】5本
プロンプト1 契約書の論点洗い出し
こんなときに使う 契約書のドラフトを受け取り、リスクや交渉ポイントを短時間で把握したいとき。詳細レビューの前の「あたり付け」として使います。
プロンプト本体
以下の契約書について、依頼者(発注者/受注者のどちらか明記してください)の立場から、
リスクが高い条項を抽出してください。
【前提】
- 依頼者の立場:[発注者/受注者]
- 取引内容:[業務委託/売買/賃貸借など]
- 契約金額の規模:[金額帯]
【出力形式】
以下の3列の表形式で出力してください。
1. 条項番号
2. リスク内容(なぜ依頼者に不利か)
3. 修正提案(どう書き換えるべきか)
【禁止事項】
- 推測で条文を補完しない
- 不確実な点は「要確認」と明記する
【契約書本文】
※固有名詞・金額・事件番号は必ずマスキングしてから貼付
[ここに貼付]
使い方のコツ 依頼者の立場を明確にするのが最重要ポイントです。発注者と受注者で注目すべきリスクが正反対になるため、立場を曖昧にすると的外れな回答が返ってきます。
注意点 当事者名・金額・日付などは必ずマスキングしてから入力してください。AIの出力は一次レビューに留め、実際の修正案は弁護士自身で再検討してください。
プロンプト2 契約書の平易化(顧客説明用)
こんなときに使う 専門用語だらけの契約書を、顧客が理解できる言葉で説明する必要があるとき。面談や契約締結前の説明資料として活用します。
プロンプト本体
以下の契約条項を、法律知識のない一般の方向けに、
平易な日本語で説明してください。
【前提】
- 対象読者:法律知識のない中小企業経営者
- 目的:契約締結前の内容確認
【出力形式】
- 条項ごとに「要するに何の話か」を1〜2文で
- 注意すべきポイントを箇条書き
- 専門用語には必ずカッコ書きで平易な説明を添える
【禁止事項】
- 法的効果を過度に簡略化しない
- 重要な例外を省略しない
【契約条項】
[ここに貼付]
使い方のコツ 「対象読者」の解像度を上げるほど、説明のトーンが適切になります。「60代の飲食店経営者」「IT企業の若手担当者」など具体的に設定すると精度が上がります。
注意点 平易化の過程で法的効果のニュアンスが損なわれていないか、必ず専門家として確認してください。そのまま顧客に渡さないこと。
プロンプト3 意見書・報告書の構成案作成
こんなときに使う 意見書や調査報告書を書き始める前に、全体の骨子を整理したいとき。ゼロから書き出すより、構成案を叩き台にする方が執筆速度が上がります。
プロンプト本体
以下のテーマについて、意見書/報告書の構成案を作成してください。
【テーマ】
[例:○○取引の税務上の取扱いについて]
【前提条件】
- 読者:[依頼者本人/裁判所/税務署など]
- 想定文字数:[目安]
- 論点:[中心論点を1〜3個]
【出力形式】
- 章立て(大見出し・中見出し)
- 各見出しで扱う内容を2〜3行で
【禁止事項】
- 一般論の羅列にしない
- 論点に直接関係しない項目を入れない
使い方のコツ 論点を絞って伝えることで、ピントの合った構成案が返ってきます。「何でも書いて」と指示すると総花的な構成になりがちです。
注意点 構成案は叩き台です。実際の論理展開・結論は専門家自身で組み立ててください。
プロンプト4 文書の誤字脱字・論理矛盾チェック
こんなときに使う 完成した文書を提出する前の最終チェック。人間の目では見落としがちな誤字や論理の飛躍を拾い出します。
プロンプト本体
以下の文書をチェックし、以下の観点で問題点を指摘してください。
【チェック観点】
1. 誤字脱字
2. 表記のゆれ(「及び」と「および」など)
3. 論理の飛躍・矛盾
4. 主語と述語のねじれ
5. 重複した表現
【出力形式】
- 該当箇所を引用
- 問題の種類
- 修正案
【禁止事項】
- 文体の好みでの指摘はしない
- 内容の当否については判断しない
- 指摘がない場合は「指摘事項なし」と明記
【文書本文】
[ここに貼付]
使い方のコツ 「内容の当否は判断しない」と明示することで、不要な論点追加を防げます。純粋な校正ツールとして使うのがコツです。
注意点 AIが見落とす誤字もあります。最終的には人の目で再確認してください。
プロンプト5 メール文面のトーン調整
こんなときに使う クレーム対応や断りのメールなど、トーン調整が難しい文面を作成するとき。硬さ・柔らかさを数段階で調整できます。
プロンプト本体
以下のメール文面を、指定のトーンで書き直してください。
【現在の文面】
[ここに貼付]
【希望トーン】
[以下から選択または指定]
- やや硬め(顧問先向け)
- 丁寧かつ明確(初回取引先向け)
- 柔らかく共感を含む(長年の顧客向け)
- 毅然とした拒絶(トラブル対応向け)
【保持すべき要素】
- 伝えるべき結論
- 期限や数字などの事実情報
【出力形式】
- 件名案
- 本文
- 書き直しのポイント3点
使い方のコツ 「保持すべき要素」を明記することで、トーンを変えても伝えるべき内容が抜け落ちないようにできます。
注意点 宛先の固有名詞・具体的な事件内容は伏せて入力してください。
【リサーチ・情報整理系】4本
プロンプト6 論点整理
こんなときに使う 新しい案件を受任した直後、どこから手をつければ良いか整理したいとき。論点の全体像を素早く把握できます。
プロンプト本体
以下の相談事例について、法律上/実務上の論点を整理してください。
【相談概要】
[事案を3〜5行で記載。固有名詞は伏せる]
【出力形式】
1. 主要論点(3〜5個)
2. 各論点について:
- 論点の内容
- 関係する条文・制度の一般名称(条文番号は不要)
- 実務上の争点
3. 調査すべき優先順位
【禁止事項】
- 条文番号・判例番号を具体的に出さない(確認が必要なため)
- 結論を断定しない
- 不確実な部分は「要調査」と明記
使い方のコツ 「条文番号を出さない」と明示することで、ハルシネーションを防げます。一般的な制度名だけを出させて、詳細は自分で調べる運用にします。
注意点 AIが挙げた論点が網羅的とは限りません。「他に論点はないか」という視点は人間が補完してください。
プロンプト7 判例・条文の概要把握
こんなときに使う 特定のテーマの判例・条文の全体像を短時間で掴みたいとき。詳細確認は一次ソースで行う前提のプロンプトです。
プロンプト本体
以下のテーマについて、一般的な議論状況を整理してください。
【テーマ】
[例:解雇の有効性における相当性判断]
【出力形式】
1. 一般的な判断枠組み(条文・判例番号は出さなくて良い)
2. 実務で議論される主な争点
3. 調べるべき代表的な最高裁判例のキーワード(判決名・年月日は出さない)
4. 参照すべき法令・通達の一般名称
【禁止事項】
- 具体的な判例番号・判決年月日を出さない
- 条文番号を推測で出さない
- 不明な点は「要確認」と明記
使い方のコツ このプロンプトは「あたり付け」専用です。AIに判例番号や条文番号を出させると誤りが混入するため、あえて出させない設計にしています。具体的な条文・判例は裁判所Webサイトやe-Gov、判例検索で確認してください。
注意点 このプロンプトで得た情報は必ず一次ソースで裏取りしてください。そのまま意見書・準備書面に使わないこと。
プロンプト8 制度比較表の作成
こんなときに使う 複数の制度・選択肢を比較検討するとき。顧客への提案資料としてもそのまま使えます。
プロンプト本体
以下の制度/選択肢について、比較表を作成してください。
【比較対象】
[例:一般社団法人/株式会社/合同会社]
【比較観点】
[例:設立費用/税務上の取扱い/ガバナンス/解散手続]
【出力形式】
- 縦軸:比較観点
- 横軸:各制度
- セル内は簡潔に(長い説明は注記として表の下に)
【禁止事項】
- 数字(税率・費用等)は概数で示し「最新情報要確認」と明記
- 特例制度を見落とさない
使い方のコツ 比較観点を先に決めて渡すと表が整います。観点を決めずに「比較して」と頼むとAIが勝手に選んだ観点で返ってきて、欲しい情報が抜けがちです。
注意点 税率・費用・申請期限などの具体的数字は必ず最新情報を確認してください。AIの学習データは古い場合があります。
プロンプト9 業界動向のリサーチ
こんなときに使う 顧客の業界の一般的な動向を把握したいとき。M&A案件や新規顧問先の事前リサーチに役立ちます。
プロンプト本体
以下の業界について、一般的な動向を整理してください。
【業界】
[例:中小建設業/SaaS業界/医療モール運営]
【整理観点】
1. 業界の基本構造
2. 主要なプレイヤーの類型
3. 近年の変化・トレンド
4. 士業の関与が多い論点(契約・労務・税務など)
【出力形式】
章立てで、各章200字程度
【禁止事項】
- 具体的な企業名・固有名詞は出さない
- 統計数字は概数で示し「要確認」と明記
使い方のコツ 「士業の関与が多い論点」という視点を入れることで、一般的な業界解説ではなく、自分の業務に直結する情報が返ってきます。
注意点 市場規模・成長率などの具体的数字は必ず最新の公開統計で確認してください。
【顧客対応・コミュニケーション系】3本
プロンプト10 FAQ作成
こんなときに使う 顧客から想定される質問を網羅的に洗い出したいとき。事務所HP・契約前説明資料・新人研修にも使えます。
プロンプト本体
以下のサービス/手続について、顧客から想定される質問と回答を作成してください。
【対象サービス/手続】
[例:相続登記の代行/法人設立/税務調査立会]
【想定顧客】
[例:初めて依頼する個人/法人の総務担当者]
【出力形式】
Q&A形式で15問
- Q:想定質問
- A:100〜150字程度の回答
【禁止事項】
- 料金の具体額は出さない(事務所により異なるため)
- 断定的な法的結論は避ける
使い方のコツ 「想定顧客」を具体的に設定すると、質問のレベル感が揃います。「初めて依頼する個人」と「長年の法人顧問先」では質問の深度が全く違うためです。
注意点 回答はあくまで叩き台です。事務所の実情・料金体系・対応範囲に合わせて必ず書き直してください。
プロンプト11 想定問答(面談・調査対応)
こんなときに使う 税務調査の立会い、行政ヒアリング、重要な交渉面談など、質疑応答が予想される場面の事前準備。
プロンプト本体
以下の場面を想定し、相手方からの想定質問と、
それに対する回答の準備を作成してください。
【想定場面】
[例:税務調査/行政ヒアリング/交渉面談]
【論点】
[想定される争点・テーマを3〜5個]
【立場】
[依頼者側/調査対応側など]
【出力形式】
1. 想定質問(厳しい順に10問)
2. 各質問への回答の方向性
3. 避けるべき回答パターン
4. 事前に準備すべき資料
【禁止事項】
- 具体的な事件・顧客情報を回答に含めない
- 証拠がない事実を推測で書かない
使い方のコツ 「厳しい順に」と指定すると、答えにくい質問から対策を練れます。事前準備の優先順位がつけやすくなります。
注意点 このプロンプトで得られるのは一般論です。実際の事案特有の事情は専門家が補って準備してください。
プロンプト12 議事録の要約・アクションアイテム抽出
こんなときに使う 会議・ヒアリングの議事録から、決定事項と次のアクションを整理したいとき。長い議事録を短時間で整理できます。
プロンプト本体
以下の議事録を要約し、アクションアイテムを抽出してください。
【出力形式】
1. 会議の目的(1〜2行)
2. 決定事項(箇条書き)
3. 保留事項(箇条書き、次回議論)
4. アクションアイテム
- 担当者(役職のみ)
- 内容
- 期限
【禁止事項】
- 議事録にない内容を補完しない
- 発言者の固有名詞は役職名に置き換える
【議事録本文】
※氏名は役職名に置換してから貼付
[ここに貼付]
使い方のコツ 発言者名を役職に置換してから入力することで、機密性を保ちつつAIの処理精度も上がります(AIが固有名詞に引きずられないため)。
注意点 要約の過程で重要な発言のニュアンスが失われていないか確認してください。
【業務効率化・テンプレート系】3本
プロンプト13 業務フローの可視化
こんなときに使う 新人教育用のマニュアル作成や、業務改善のために既存フローを可視化したいとき。
プロンプト本体
以下の業務の標準的なフローを可視化してください。
【対象業務】
[例:相続登記/遺言書作成サポート/給与計算代行]
【前提】
- 想定する顧客:[個人/法人など]
- 想定する難易度:[標準/複雑]
【出力形式】
1. フロー図(テキストベースで、ステップ1→ステップ2→...)
2. 各ステップで必要な作業・書類・確認事項
3. つまずきやすいポイント
【禁止事項】
- 事務所ごとに異なる運用は「事務所ごとに規定」と明記
- 法改正の影響を受ける箇所は「最新情報要確認」と明記
使い方のコツ 「つまずきやすいポイント」を入れることで、新人教育にそのまま使える実践的な内容になります。
注意点 事務所独自の運用・手順は必ず追記してください。
プロンプト14 チェックリスト作成
こんなときに使う ミスを防ぐためのチェックリストを作るとき。契約書送付前・申請書提出前・決算確定前などに使えます。
プロンプト本体
以下の業務について、ミス防止のためのチェックリストを作成してください。
【対象業務】
[例:契約書送付前の最終確認/法人税申告書提出前の確認]
【想定利用者】
[例:担当者本人/レビュー担当者]
【出力形式】
- 大項目(3〜5個)
- 各項目の下にチェック項目(合計20〜30個)
- 重要度マーク(★★★=必須/★★=推奨/★=任意)
【禁止事項】
- 抽象的な項目(「確認する」だけ等)は避ける
- 具体的に何を見るかまで書く
使い方のコツ 「抽象的な項目は避ける」と明示することで、「確認する」「チェックする」だけの使えないリストを防げます。
注意点 チェック項目に漏れがないか、実務経験者が必ず補完してください。
プロンプト15 プロンプトを作るプロンプト(上級者向け)
こんなときに使う 本記事の15本では対応できない独自の業務があるとき。自分でプロンプトを設計したいが書き方が分からないときに、AI自身にプロンプトを設計してもらう方法です。
プロンプト本体
以下の業務について、生成AIに指示するためのプロンプトを設計してください。
【やりたいこと】
[例:賃貸借契約書から更新料条項だけを抽出して一覧化したい]
【前提条件】
[業種・規模・扱う文書の種類など]
【プロンプトに含めてほしい要素】
1. 前提(業種・立場)
2. 論点(着目する観点)
3. 出力形式(表・箇条書き・文章)
4. 禁止事項(推測禁止・固有名詞入力禁止など)
5. 検証事項(一次確認すべきポイント)
【出力形式】
- 完成したプロンプト本体(コピペ可能な形式)
- 使い方のコツ
- 注意点
使い方のコツ 「やりたいこと」を具体的に書くほど、良いプロンプトが返ってきます。「契約書をチェックしたい」ではなく「業務委託契約書から著作権条項だけを抜き出して、発注者に不利な規定を指摘したい」のように細かく書きます。
注意点 AIが作ったプロンプトをそのまま使う前に、「禁止事項」「検証事項」が入っているかを必ず確認してください。
第3章 プロンプトを使うときの注意点
士業として守るべき3つのポイントです。
1. 機密情報は絶対に入力しない
顧客の氏名・事件番号・金額・マイナンバー・具体的な取引先名などは、必ずマスキングしてから入力してください。
Before:「株式会社○○商事(東京都渋谷区)との業務委託契約」
After:「A社(所在地省略)との業務委託契約」
無料プランや個人プランでは、入力内容がAIの学習に使われる可能性があります。有料の法人プランでも、契約内容によって学習利用の扱いが異なります。事務所として使うツールを選ぶ際は、学習利用のオプトアウト可否を必ず確認してください。
2. 出力は必ず一次ソースで確認する
AIは存在しない条文番号・判例番号を自信満々に生成することがあります。冒頭で触れたハルシネーション現象の典型例で、士業が使う上で最大のリスクです。
- 条文確認 → e-Gov法令検索
- 判例確認 → 裁判所Webサイト、各種判例検索サービス
- 税制確認 → 国税庁HP、各種通達
- 行政手続 → 所管省庁の公式サイト
AIの出力はあくまで「あたり付け」と割り切り、業務成果物に使う情報は必ず公式情報で裏取りしてください。
3. 事務所の業務ルールを整備する
スタッフがAIを使う場合は、以下のルールを明文化しておくと安全です。
- 入力禁止情報のリスト(顧客名・事件番号・金額等)
- 使用して良いツール・プランの指定
- 出力の検証手順(誰が・何を・どう確認するか)
- AI使用の有無の記録方法
「スタッフが勝手にChatGPTの無料版に顧客情報を入力していた」というトラブルは実際に起きています。事前のルール化が事務所を守ります。
第4章 もっと使いこなすために
本記事はプロンプトの実践編です。以下の記事と合わせて読むと、生成AIの活用レベルが一段上がります。
- 生成AIをまだ使ったことがない方は → [士業のための生成AI入門:まず使うならChatGPT一択](準備中)
- ツールごとの特性を活かしたい方は → [士業が生成AIを使い分けるガイド:目的別4サービス比較](準備中)
- 判例集・法令集をAIに読み込ませたい方は → [士業のためのNotebookLM完全活用ガイド](準備中)
まとめ
良いプロンプトは、役割や呪文のような飾りではなく、前提・論点・出力形式・禁止事項・検証事項の5要素を簡潔に伝えたものです。本記事の15本はどれもこの5要素を織り込んで設計しています。
まずは今日、自分の業務に一番近い1本を選んで、ChatGPTやClaudeに投げてみてください。思った以上の回答が返ってきたら、少しずつ他のプロンプトも試してみる。その積み重ねが、事務所全体の業務効率を変えていきます。
AIは士業を置き換えるものではなく、「専門家の判断をより速く、より正確にする助手」です。最終的な判断は常に専門家であるあなたの責任で。そのスタンスを守る限り、生成AIは事務所の強い武器になります。
