士業にOfficeは本当に必要？Word・Excel・Google活用比較ガイド
士業の皆様にとって、WordやExcelといった文書作成ソフトは、日々の業務に欠かせないツールです。しかし、近年ではGoogleドキュメントやスプレッドシートなどの無料クラウドツールも高機能化し、「本当にOffice製品は必要なのだろうか？」と疑問に感じる方も増えています。
本記事では、OfficeプリインストールPC、Microsoft 365のサブスクリプション、そしてGoogle Workspaceという3つの選択肢を比較しながら、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。ご自身の業務スタイルに合わせた最適なツール選びの一助となれば幸いです。
１．OfficeプリインストールPCのメリットと注意点
PC購入時にOfficeがセットになっているケースは、初期費用を抑えたい方に魅力的な選択肢です。
メリット
・PC購入と同時に有償版Officeを使い始められるため、別途ソフトを購入する手間がありません
・永続ライセンスのため、一度購入すれば月額・年額の費用は発生せず、トータルコストを抑えられます
注意点
・プリインストール版の多くはOffice Personalである可能性が高く、その場合はPowerPointは含まれていません。プレゼンテーション資料を作成する機会が多い士業の方には不向きな場合があります
・基本的に1台のPCのみでしか利用できません。複数のデバイスでOfficeを利用したい場合には不便を感じるかもしれません
・購入時のバージョンが固定されるため、常に最新の機能やセキュリティアップデートが自動で適用されるわけではない点に注意が必要です。新しい機能の追加やセキュリティの強化には、バージョンアップが必要となります
２．Microsoft 365 (Office 365)の利便性と最新コスト
Microsoft 365（旧称Office 365）は、月額または年額で利用できるサブスクリプション型のサービスです。常に最新のOfficeアプリを利用できる点が大きな特長です。
メリット
・Word、Excel、Outlook、PowerPointといった主要アプリに加え、TeamsやOneDriveなども利用できます。これにより、オンライン会議や大容量ファイルの共有など、現代のビジネスに求められる機能が統合されています
・複数のデバイス（PC、タブレット、スマートフォン）でOfficeアプリを利用できるため、場所を選ばずに業務を進められます
・常に最新版の機能とセキュリティアップデートが自動で適用されるため、安心して利用し続けることが可能です
利用料金
ビジネス向けの代表的なプランである「Microsoft 365 Business Standard」の料金は以下の通りです。
- 年間契約：1,874円/月（年間22,488円）
- 月間契約：2,249円/月
※すべて税抜き価格です。 出典: Microsoft 公式サイト
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３．Googleドキュメント、スプレッドシートで業務は完結する？
Googleドキュメントやスプレッドシートは、Googleアカウントがあれば無料で利用できるクラウドベースのオフィススイートです。
メリット
・Googleアカウントがあればすぐに利用を開始でき、初期費用がかかりません
・リアルタイムでの同時編集が可能であり、チームでの共同作業がスムーズに行えます
・作成したファイルはクラウドに自動保存されるため、データの紛失リスクを低減できます
・インターネット環境があればどこからでもアクセスできるため、柔軟な働き方を実現します
注意点
・文書の書式やレイアウトの再現性は、Office製品に一歩譲る場合があります。特に複雑なレイアウトの書類や、特定のフォントを使用する場合には注意が必要です
・一部の申請書類など、特定のExcel形式での提出が求められる場面では、Googleスプレッドシートでは対応しきれない可能性があります
４．電子申請や顧問先とのファイル共有との相性
士業の業務においては、公的機関への電子申請や顧問先とのファイル共有が頻繁に発生します。この点でOfficeとGoogleの相性には違いがあります。
・e-Taxや登記ねっとといった電子申請システムでは、手続きや申請書類にOffice形式（.docxや.xlsxなど）が指定されているケースが多く見られます
・顧問先とのファイル共有においても、Office形式でのやり取りが前提となっている場合があります。Googleドキュメントやスプレッドシートで作成したファイルをOffice形式に変換した場合、レイアウトが崩れるなど、再調整が必要になることもあります
このような業務フローが多い場合は、Office製品を利用することでスムーズな連携が期待できます。
５．業務タイプ別のオススメ構成
ここまでの比較を踏まえ、士業の業務タイプ別におすすめのOfficeツール構成をご紹介します。
| 業務タイプ | オススメ構成 |
| PC1台でシンプルな文書作成が主 | Officeプリインストール |
| 複数端末で作業し、顧問先との共有が多い | Microsoft 365 Business Standard |
| 個人業務やメモ作成が主 | Googleドキュメント・スプレッドシート |
| コストを抑えながらOfficeを使用したい | Office Home & Businessの利用 |
| スタッフとの共同編集を重視 | Google Workspace主体、Officeビューア連携 |
6.結論
これまで「Office」は一括りのものとして捉えられがちでした。しかし、これからはご自身の業務スタイルに合った最適なツールを選択する時代です。
Office製品を選ぶか、それともGoogleツールを選ぶか。この選択は、単なるソフトウェアの機能だけでなく、日々の業務効率、生産性、そしてご自身の働き方に大きな影響を与えます。相性や利用状況を慎重に見極めながら、ご自身に最適な業務環境を構築しましょう。